営業に必要な7つのスキル!スキルアップに必要な考え方や具体的な方法とは

高い成立率をあげるために、営業に必要とされるスキルは沢山あります。そして、営業マンごとでどこに課題があるかなど個人差もあるためスキルの優先順位も変わってきます。

そのため、あれもこれもと手を出そうとすると、すべてが中途半端になってしまう恐れがあるため、最低限押さえておくべき5つをまずは身に着けることをおすすめします。

営業に必要なのは、コミュニケーション能力や商材知識ばかりではありません。見落としがちな営業のコアスキルが何なのかを知っておきましょう。

営業に必要な7つのスキル!

営業に最低限必要なスキルは以下の7つです。

  • 問題発見能力
  • 問題解決能力
  • 傾聴力
  • 調整力
  • ストレス耐性
  • 論理的思考
  • クロージングスキル

すべて兼ね揃えておくのが理想ですが、これからみにつけるひとにとってそれは現実的ではないため、とくに苦手なものから克服していくようにしましょう。まずは明らかなマイナスをゼロにすることから始めて、次に長所をさらに伸ばすのが確実です。

もしくは、色んなことに考えを巡らせるのが得意ではない場合は、長所をひたすら伸ばすという選択と集中もアリです。どれか一つでも突出すれば目立つことができます。

ただし、問題解決能力は問題発見能力があってこそ発揮できるなど、それぞれのスキルが絡み合って本領発揮するため、できれば全方位的にスキルアップすることが望ましいです。

問題発見能力

問題発見能力とは、顧客が抱える問題に気付けるスキルです。サービスや商品は、顧客の抱える問題を解決するために雇用されるものであるため、そもそもの問題を発見できていなければセールスはできません。

例えば、「経理業務が煩雑で困っている」という問題が発見できれば、経費計算システムを提案したり、経理のリソースを増やすためのあらゆる提案ができます。

ポイントは、誰のどんな問題であるのか?をきちんと理解することです。会社としての問題なのか、担当者の抱える問題なのか。粒度によって解決手段は変わってくるため、単に表層的な問題だけに注目してはいけません。

問題発見能力が高い営業マンは、顧客自身が気づいていなかった問題に先回りして気が付くことができます。

問題解決能力

問題解決能力とは、浮き彫りになった問題を解決するスキルです。問題は発見して終わりではなく、次にそれを解決するまでがセットです。ちなみに人によって、問題を発見するのが得意な人と、解決するのが得意な人で分かれるケースが多いです。

高い問題解決能力を発揮するためには、解決するための手段を豊富にもっておく必要があります。ときに、それは自社のサービスに限らないかもしれず、顧客の抱える問題を解決できるのであれば、例えそれが自社以外のサービスであったとしても提案の選択肢にはもっておくべきです。

自社のサービスや商品だけしかソリューションを持たないということは、解決手段の幅が狭いということです。もちろん、セールスはサービスのニーズが高い顧客にアプローチすることが前提のため、自社の利益につながる活動になるべきです。

ただし、ときには遠回りすることが最短ルートとなる場合もあるため、「自社のサービスを売ること」に強引に向けようと考えることから離れるのも、問題解決能力を高めるコツです。

傾聴力

傾聴力は、思い込みや先入観をできる限り排除して、自然な状態で相手の話に耳を傾けることです。ビジネスのシーンでは「ヒアリング」と呼ばれるものですが、ヒアリングは顧客のニーズを引き出すことが目的なのに対して、傾聴力はそれも含めて言葉にできていない本当の想いを聞くことです。

営業マンがヒアリングに失敗するケース、つまり顧客の話を傾聴できていない原因は、契約や売上をあげることを前提にして、そこから逆引きして話を聞いてしまっていることです。要するに先入観や思い込みが強いということです。

先入観が強いと、自分(営業)にとって都合の良い話はすんなり呑み込めますが、都合が悪い話になると心をニュートラルにして聞くことができず、顧客の本当の想いに考えを巡らせることもできません。

顧客は聞けば何でも正しく答えてくれるわけではなく、前述のように顧客自身が問題の本質に気付いていない場合もあります。だからこそ、営業マンの傾聴力によって真のニーズを引き出せるスキルが必要なのです。

調整力

調整力とは、営業活動を通じて関わるあらゆる人達との橋渡しを円滑に行うスキルです。営業マンは、ひとりで営業活動~納品、アフターフォローを行うわけではなく、必ず自分以外の誰か(担当者)がいます。

ひとりでビジネスをしていないということは、関係者との間にたって立ち回るシーンも多く、そのたびに適切な調整を行えなければ営業活動も成果を出すのもままならないでしょう。

一方だけに意識を向けず、自分を中心とした相関図をイメージして、それぞれの人物との関係性や線の太さを俯瞰して見られるようにしましょう。

調整は自分のためにすることもあれば、自分以外の人の業務を円滑にするために必要な場合もあります。

ストレス耐性

ストレス耐性は、厳密にはスキルではありませんが、意識的に高める必要があるという意味では能力のひとつでしょう。基本的に営業はストレス耐性が高くないと務まりません。提案が断られるシーンがどうしても多くなりやすいためです。

さらに営業は人対人のコミュニケーションになるため色んな人の感情が入り交じり、気持ちが左右されやすく、降りかかるストレスに対処する術を予め身に着けておかないと落ち込んでしまいます。

ストレス耐性を高めるコツはいくつもありますが、以下の2つを意識することがもっとも大切です。

成功は失敗から成る

失敗がなければ学びはなく、どんなに優れてみえる人でも必ず失敗を経験しています。捉え方が大切で、自分が失敗と思わなければそれは失敗ではありません、継続する限りは失敗など存在せず、すべては成功までのプロセスに過ぎないからです。かの有名なエジソンだって、

電球を発明するまでに2,000回の失敗を経験しています。失敗がなければ、成功がなんなのかを知ることはできません。何が最適かもわからないのに、最良を推し量ることもできないわけです。

営業に置き換えると、断られるたびに、ノルマを達成できない度に落ち込んでいては前に進みません。正確には、前に進もうとしているのに、自分自身でそれを止めてしまっている状態です。

自分そのものを更新し続ける

上記の内容と被る部分もありますが、ストレスに耐えうるかどうかは、つまるところ『過去に耐えたことがあるかどうか』です。一度経験したことや、乗り越えたことがあるのであれば、それが次も乗り越えられる根拠になります。

一度フルマラソンを走破すれば、10キロを走ることだってイメージしやすいですよね。しかし、5キロまでしか挑んだことがない人にとっては、10キロを走りきるなんて想像できません。

つまり、自分そのものを更新し続けることがストレス耐性を高めるコツなのです。毎回、少しの無理をこなしていき、少しずつ過去最高を更新していく。そうやって、気付けば前の自分よりも強い自分になっていくことができます。

ポイントは、難しいことやつらい出来事にぶち当たったとき、「自分は今記録の更新に挑戦している」と考えることです。

論理的思考

論理的思考(ロジカルシンキング)とは、物事を論理立てて考えるスキルです。論理とは、思考や道筋を進めることであり、進めるということは途中で破綻させないということです。

営業において論理的思考が弱いと、問題の発見から解決に至るまでの道筋が立たないことになります。「なぜ必要で」「それによってどうなるのか」を結びつけることができなければ、自身はおろか、顧客が納得することも難しいでしょう。

いわゆる『なぜなぜ思考』が大切だと言われますが、ひとつの事象に対して3回なぜを問えば本質が見えるとされています。普段から、さまざまなことに「なぜ?」と問いかける癖をつければ、論理的思考が身に付きやすくなります。

クロージングスキル

クロージングとは、営業活動において契約へ結びつける最終段階のことです。クロージングスキルは、このクロージングをきれいにまとめるために必要なスキルとなります。

クロージングが苦手な営業マンは、総じてお金の話が得意ではありません。お金の話になった途端、自信を無くしてしまったり、お金の話を切り出しづらいと感じてしまうのです。「断られるかもしれない」という恐怖心が、心理的な『お金のハードル』を生み出してしまうからです。

 言い換えれば、商品の提供価値に自信がないから感じてしまうものであり、今それを必要としていない人に売る理由がハッキリと見出せていない状態です。

 クロージングに必要なのは未来へのイメージです。将来的に得られる特別な体験をどれだけ具体的に伝えられるかが重要になります。

 クロージングスキルを高めるのに必要なことは、トークの技術でも心理戦でもありません。未来への具体的なイメージです。それを説明するためには、営業マン自身が価値を感じており、自らが「ほしい」と思えていなければなりませ。

営業に必要なスキルを身に着ける方法

ここまでが、営業に必要な最低限のスキルでした。続いては、これらを効率的に身に着ける方法を解説します。

個々のスキルについて意識的に取り組むだけでも身につくものではありますが、これからお伝えする内容を実践することでより効率的に、スキルアップしていることを実感しやすくなります。

目標を立てて達成に向かう

そもそもスキルが求められる理由は、営業として達成すべき目標があるためです。それは会社から命じられたノルマでもあり、自分の人生におけるキャリアとしての目標でもあります。

つまり、達成したい目標から逆算して今必要なスキルを取捨選択することで、身に着いたかどうかを可視化しやすくするのです。目の前にある壁を乗り越えるために必要な能力を身に着けるため、乗り越えたかどうかでスキルアップを押し図ることができます。

スキルを身に着けることが優先になって、後から自分のスキルセットで実現できることを考えるのもアリです。その場合であっても、「何のために?」だけは初めから明確にしておかなければいけません。

営業のスペシャリストから学ぶ

『百聞は一見に如かず』の言葉の通り、理論を学ぶよりも、それを実際に体現している人物から学ぶ方が早く密度も濃いです。身近に尊敬できる先輩社員や上司がいるのであれば、直接指示を仰いだ方が近道なのは間違いありません。

今回紹介した営業に必要なスキルは、自分が備えているかどうかだけではなく、自分以外に備えている人がいるかどうかも同時に考えてみましょう。

もし個々のスキルでそれを得意とする人がいるのであれば、各個人から一つずつを学びましょう。そして、最終的には自分にあらゆるスキルが集まり、その集合体として完成度を高めていけます。

ちなみに著者である和田自身も、かつて外資系企業で世界2位の営業成績を収め、現在は営業に関する書籍を多数発表している営業の専門家です。

私がお送りしているメルマガでは、今回紹介したような営業に必要なスキルが身に着く内容も含みますので、まずはそちらから学んでみてはいかがでしょうか? メルマガの購読は無料で可能です。

営業が向いていなければ辞めてもいい

もし自分が営業に向いていないと感じるのであれば、辞めることも選択肢のひとつです。ただし、本当に向いていないかどうかは振り返った方が後々自分のためにもなります。

関連:営業に向いてない人の特徴・性格|転職や辞める前に考えてほしい職選びのポイント

営業に限らず、仕事を辞めたいと思ってしまうのは、その仕事に適正がなかったからです。決して弱い人間だからとか、甘えではありません。つらかったら辞めてもいいんです。

営業はとくに、社会的に間違った認識がはびこりやすく、その価値観を押し付けられてしまうケースが珍しくありません。そして、そのとおりにできない自分を責めたり、「辞めたいのは甘えているからだ」と自責の念にかられてしまいます。ですが、営業を辞めたいと思うのは甘えではなく、むしろ営業という仕事を再定義する絶好の機会だったりします。

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