開き直りでメンタルを強くする5つのコツ|開き直ると楽になるけど目的がもっとも大切な理由

困難に直面したとき、開き直ることも大切だと教わった人は少なくないでしょう。

開き直るとは、良い悪いもかなぐり捨てて居直るという意味です。または覚悟を決めて堂々とする様であり、色んなことを受けいれる態勢を作ることだと思えばわかりやすいかも知れません。

ただし、普段できない人がいきなり開き直ることは簡単ではありません。真面目な人ほど、無責任・無計画にも思える考えにはなれないことでしょう。開き直ってメンタルを強くするには、いくつかのコツがあるのです。

ただ開き直ってもメンタルは強くはならない

誰もかれもが、何でも開き直ればいいというわけではありません。「もう開き直った」と自分が思えば、細かいことは気になくてよくなりますが、それが本当の意味でメンタルを強くしたかどうかは審議です。

その場を乗り切ることがメンタルを強くしたとするならば、それでもよいでしょう。しかし、人生は長く同じような困難は何度でも立ちふさがります。「嫌いな上司がいたから転職した」という人が、転職先でも同じような上司がいる可能性だって十分に考えられるわけです。

本当の意味で「メンタルを強くする」とは、簡単にいえば「耐性を付けること」です。耐性をつければ、次に同じような困難が訪れても対処方法を心得ているでしょう。問題をクリアする方法を身に付けていなければ、問題がある度にメンタルがやられてしまう。それに繰り返しになってしまうのです。

開き直りでメンタルを強くする5つのコツ

では、開き直ることでメンタルを強くする具体的なコツは何なのか。次の5つを意識して開き直ってみましょう。

  • 「これも経験」と割り切る
  • 「コントロールできないことは考えても仕方ない」と開き直る
  • 「過去は過去」と開き直る
  • 「人は人」と開き直る
  • 「これ以下はない」と開き直る

経験に勝る武器はありません。どんな知識や理論も、実践して結果が伴わなければ意味がないのです。机上の空論ではメンタルを強くすることはできません。

人生において大切なことは、すべては経験がもたらしてくれます。成功も失敗も、それを経験した人にしか感じられない心があり、どちらが良い悪いではなく表裏一体。どちらも成長には必要なことなのです。

「失敗を気にしない」という開き直りではなく、「成長のために必要な経験をしている最中」と、ミスや失敗というネガティブな側面に縛られることを止めるための割り切りをしましょう。

人間にとって無駄な悩みは、自分の意思で変えられないこといつまでも悩むことです。例えば、好きな人に良く思われたくても、人の心を自由に変えることはできないですし、仕事でお客さんを怒らせてしまっても、謝罪してリカバリーしたら後は天命を待つしかないのです。

つまり、自分にコントロールできないことは考えても仕方なく、それどころか悩んでいる時間を無駄にしているとまで考えましょう。いま自分にできること、できないことをきっちりと分けたら、後は開き直って「できること」だけにフォーカスして行動すればいいだけです。変えられない事実にウダウダするのはやめてしまいましょう。

問題に直面したとき、多くの場合で必要になるのは「これからどうするか」です。起きてしまった問題をなかったことには当然できないため、そこに執着しても意味がありません。

「過去は過去。大事なのはこれからどうするか」と開き直り、とにかく未来だけに向かってできることをやるしかありません。問題が発生した原因を、過去の出来事からデータとして参考にするのは必要ですが、起きてしまったことをグチグチ言っても生産性はないでしょう。そんな責任転嫁の渦中からはさっさと脱出した方がよいです。

それでも過去に対して攻撃してくる人は気にしない。自分のため、人のためにも開き直って今やるべきことに集中しましょう。

人それぞれ価値観や生き方は違うため、分かり合おうとすること自体にあまり意味がないときもあります。人間関係で悩むときは、相手の期待に応えられなかった、自分は気に入られなかったなど相対的に自分を評価してしまう場合が多いでしょう。仕事においても同じで、他人と上手くやり取りできないのは「相手の価値観」に自分を照らし合わせようとするからです。

前述のように、人の感情や価値観は他人の意思で今日明日にでも変えることはできません。だからこそ、他人に迎合するのではなく、まったく別の人間であることを受け入れ、それぞれの価値観や生き方・考え方を大切にすればよいのです。

「人は人」と開き直ることで、自分の価値を他人からの評価に委ねなくて済むようになります。

極論、いまが最低ならそれ以下になることはありません。「ここまで落ちてしまったら、後はもう開き直るしかない」と考えることで暗闇から出られるケースは多いです。実際に過去最低の状況かどうかは関係ありません。自分がそのように考えるかどうかです。

メンタルがダウンしている状態は、常に「こんなつらい状況は嫌だ」と思うでしょう。しかし、それなら「もう最悪は経験している」と強気に出てしまえばいいのです。なぜなら、最悪の状況に立たされている今もあなたは前を向こうとしており、それを経験している以上の耐性はないからです。

または、「過去の、あの状況よりはマシ」と過去最悪のケースと比較するのも有効です。あのときよりはマシと思えば、人間どんなことも何とかできるものです。過去の最低の状況を更新することが、ある意味最強のメンタル強化術かも知れません。

悪い意味での開き直り方

一方で、悪い意味での開き直り方も存在します。具体的には次の3つです。

  • 逃げるための口実にしたいだけ
  • 相手を攻撃するため
  • 都合の悪い事実から目を背けるため

開き直れば責任からも逃れられると考え、ただその口実にするのは間違っています。開き直るとは、逃げることではありません。逃げても、状況は良くなるどころか悪くなるでしょう。

もっと自分の人生を長期的に見たとき、「今がよければそれでいい」と考えるのは危険です。考えもなしに、誰かが損をしてしまうような逃げ方は自分をより不幸してしまうため、間違った開き直り方はしないようにしましょう。

ただし、心が限界で冷静な判断もできないような状況からは一刻早く逃げるべきです。メンタル不調を回復させる方法は以下のページでお伝えしているので、よければこちらもご覧ください。

関連記事:メンタル不調の6つのサイン|やばい状態に陥ったときの対処方法も解説

開き直って、後は言いたいことを好き勝手に言うのも間違っています。「開き直る」とは攻撃態勢を整えることではないため、「開き直って、遠慮なく好き勝手言ってやろう」はお互いにとって何のメリットもないでしょう。

開き直るのは、やぶれかぶれになることでもないため、きちんとした考えや戦略をもって行わなければなりません。相手を攻撃して自分が幸せになれるならよいですが、おそらくそんなことはないと思います。今はよくても、きっと後でモヤモヤしたり後悔の念が生まれることでしょう。

開き直ったからといって、都合の良い事実だけを見ればいいことにはなりません。むしろ、状況を冷静に判断した結果、やるべきことに集中するために開き直るのです。

むしろ、都合が悪いことも受け入れないと前述ような「考えなしに逃げまくる人」になってしまうでしょう。逃げ癖がつくと、年齢を重ねるにつれて軌道修正はできなくなっていきます。それほど、目の前の現実を正しく見ようとしないリスクは高いのです。

開き直ると楽になる。けど目的がもっとも大切

ここまでお伝えしたように、「開き直る」のは何を意識しているかが大切です。もっといえば、何を目的にして開き直るかということです。どんなことも同じですが、「今がよければいい」という考えは身を滅ぼします。

ときには逃げることも大切。しかし、そこからどうやって這い上がるかは落ち着いてからじっくり考える。逃げたら逃げっぱなし、開き直ったら開き直りっぱなしにならないようにしましょう。

開き直ると楽になるのは間違いありません。ですが、その楽は自分の「いつ」の「何」のためかは認識しておきたいですね。

どんなことにも『よかった』は存在する

何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会でもあり、自分の価値や目標について再評価する絶好のタイミングともいえます。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。

仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。

  • もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
  • 乗り越えたことで耐性ができた
  • 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
  • 仕事への価値観や人生について考えることができた

考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。

陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。

『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。

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