「なんだが気持ちが浮かないな」など、気持ちが落ち込んでいる状態を認識できていればリカバリーしやすいですが、メンタル不調が深刻な状態にまで陥っている人は、それを「やばい状態」と自覚できていないため危険です。

本ページでお伝えする症状に心当たりがあると感じた人は、気のせいかもと思わずに真剣にメンタルケアを検討しましょう。まずは自分を自分が一番に大切に扱うことからです。

メンタルがやばい状態！不調を示す6つのサイン

次のいずれかに身に覚えのある人は、メンタルが既にやばい状態に陥っている可能性があります。

• 寝られない・寝つきが悪くなった
• 好きなことや趣味が楽しいと感じない
• やればできることも意欲・自信がわかない
• 仕事以外のことにも倦怠感がある
• 人と接することを必要以上に避けたがる
• 身体的な異常が見られる

メンタルの不調な心理的な面と、身体的（物理的）な面の両方に影響を及ぼします。心理的な機微の変化を甘く見ずに、少しでも「らしくない」や「何か苦しい」と感じたら蓋をしないようにしましょう。一方で、身体的な症状は、それがメンタルの不調が招いていると気付かないケースもあるため注意です。

寝られない・寝つきが悪くなった

精神的な不安や不満は、睡眠障害にもつながりやすいです。寝る前に色々なことを考えてしまったり、身体は疲れているはずなのになぜか眠れなかったり、生活習慣で思い当たる節がなければメンタルの不調を疑いましょう。

不安やストレス、うつ病などの心理的な問題は、睡眠の質に大きく影響を及ぼすことが知られています。メンタルに不調があると、寝つきが悪くなったり、中途覚醒が頻繁に起こったり、総睡眠時間が不足したりすることがあります。これは心身の不調が睡眠サイクルに影響を与えるためです。

メンタルヘルスの問題により、特に寝つきが悪くなるのは、さまざまな心配事やストレスが頭を占めるために、リラックスして眠りにつくことが難しくなるからです。また、夜間に目が覚めてしまう中途覚醒も、心理的な緊張や不安が原因であることが多いです。

好きなことや趣味が楽しいと感じない

メンタルの不調があると、好きなことや趣味が楽しめなくなることがあります。これは「喜びを感じない」と表現される症状で、専門用語では失感情症（アレキシサイミア）と呼ばれています。失感情症は精神疾患の典型的な症状の一つであり、普段楽しみに感じていた活動に対しても、興味や喜びを感じにくくなる状態に陥ります。

本来は気分転換のために、好きなことや趣味があるものですが、それすらも楽しいと感じられないのはメンタルがやばいサインです。そうなると、メンタルを回復させるルーティンすら失い、「どうすればいいのか」と暗闇をさまようような感覚になってしまうでしょう。

やればできることも意欲・自信がわかない

メンタルの不調があると、「やればできること」でも意欲や自信がわかなくなることがあります。これは、心理的な不調が自己評価や自己肯定感に影響を与えるためです。「実際にはやればできる」ことであっても、行動を起こす前から自己疑念に陥り、能力を適切に発揮できない原因となります。

自分が状況をコントロールできるという感覚が減少し、何事にも挑戦する自信が低下すると泥沼にはまります。前述のように、日常の活動や以前は楽しんでいたことへの興味が失われ、何をするにも「やる気」が起きない状態になることも。また、思考が消極的になり、自分自身や未来に対する否定的な見方が強くなると負のスパイラルに陥ります。

仕事以外のことにも倦怠感がある

仕事が原因であれば、仕事に対する心理的な変化ばかりに気を取られがちですが、メンタルがやばい状態では、仕事以外のことにも倦怠感があることも多いです。

家事や育児、日常の些細な行動に対して「面倒だな」や「なぜか無性にやりたくない」と感じたら、何かしらが原因でメンタルが落ち込んでいると考えた方がよいでしょう。今だけだと割り切れればよいですが、上手く切り替えられない場合は一過性のものだと軽視しない方がいいかも知れません。

健全であれば日々のルーティンは抵抗なくこなせるはずですが、それすらも倦怠感があるのであれば心が異常を伝えているサインの可能性があります。

人と接することを必要以上に避けたがる

性格などにもとりますが、人と接することを必要以上に避けたがる場合もメンタル不調を疑いましょう。「必要以上に」とは、普段ならそこまで感じないにもかかわらず、明確な理由がないのに避けたがるような状態です。

人と話すことで、余計に落ち込むかもしれない。内容にかかわらず、人と話すこと自体が嫌に感じるときもあります。もしかしたら、助けてほしいけれど、何を相談すればいいかわからず思考が泥沼化していることが原因の可能性も。

「相談しても迷惑になるから」と、余計な心配までしてしまうようであればメンタルが深刻な状態かもしれません。

身体的な異常が見られる

頭痛が頻繁に起きる、身体に発疹が現れるなど、身体的な異常が見られたらメンタル不調が原因の可能性があります。正確にはストレスによる影響ですが、身体が拒否反応を起こしていると帯状疱疹など異常が見られることもあります。

他にも、首や肩が痛くなったり、胃痛・腹痛が起きたり、一見すると心とは関係なさそうな症状も、実はストレスが起因しているケースもあります。

メンタル不調に陥ったときはどうすればいい？

メンタル不調がやばい状態に陥っているかどうかは、自分ではなかなか気づきづらいものです。そして、自覚してからでは対応が遅いケースがほとんど。そのため、前述した症状以外にも、少しでも変化を感じたら次のことを真剣に検討しましょう。

• 何よりもまずは休む
• 勇気を出して伝える
• 誰でもいいから頼る・相談する

いずれも、メンタルが病んでいるときには勇気がいることだと思います。しかし、もっとも避けるべきは自分の気持ちに蓋をしたり、気付かないフリをして無理し続けた結果、身体も心も壊れてしまうことです。

自分を守るのは、何よりも自分自身です。心も身体も、いちばんコントロールできるのは自分だと強く意識することができれば、メンタルを回復させるために適切な行動を選びやすくなります。

何よりもまずは休む

とにかくよく言われることですが、おかしいと感じたら何よりもまずは休むことが優先です。休まずに動き続けられる人はいません。休むことも生きるために必要な行動の一部であり、上手く休むのも仕事ができる条件のひとつでしょう。それでももし休むことに罪悪感があるのなら、休む＝悪という間違った固定概念を振り払うことからです。

人の許可が無ければ休めない状態は間違っています。いつ休むのかは、自分で自分の許可を出しましょう。もちろん、何でもかんでも休むことを優先するのは間違っていますが、今回のように「メンタルがやばい」と感じる状態では休むことが最良の対策になる場合が多いです。

勇気を出して伝える

休むために上司や先輩、関係者に本心を伝える他にも、何に悩んでいるか不安を感じているかを、勇気を出して伝えることも非常に大切です。「それができれば苦労はしない」という声が聞こえてきそうですが、ふさぎ込むこと自体が自分をさらに追い込んでいるわけなので、状況を一変させたいのなら、一時のストレスや恐怖を乗り越えて事情を伝えることも必要でしょう。

勇気を出して改善のための行動を起こした経験こそが、その後の逆境を乗り越えやすくなる確かなスキルセットになります。待っていても変わらない、なら当たって砕けろ精神でぶつかってみるのも手です。

誰でもいいから頼る・相談する

メンタルがやばい状態では、人に相談したり頼ることが難しいでしょう。必要以上に相手の反応や、期待に応えてくれるかどうかを推し量ってしまい、とりあえず相談したらいいこともできなくなってしまうのはまずい状態です。

自分一人で解決できないから、ドンドンとメンタルが落ち込んでいるわけなので、できれば自分以外の意見や言葉を取り込んだ方がよいです。何も期待せず、雑談したいだけという気持ちで構わないので、とりあえず誰でもいいから頼る・相談しましょう。

どんなことにも『よかった』は存在する

何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会でもあり、自分の価値や目標について再評価する絶好のタイミングともいえます。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。

仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。

• もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
• 乗り越えたことで耐性ができた
• 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
• 仕事への価値観や人生について考えることができた

考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。

陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。