
与えられた役割をこなせなかったり、仕事で成果を出せなかったりすると「自分は無能なんだ」と落ち込むことでしょう。
能力がある人が羨ましく見え、そうなれない自分を責めることで安心を得ようとする気持ちも生まれます。
「無能すぎて仕事から逃げたい」と考えてしまうとき、それは決して窮地ではなく、状況が良くなるきっかけかもしれません。
「無能すぎる」が逃げる理由にはならない
結論からお伝えすると、「無能すぎる」が逃げる理由にはなりません。自分の能力が原因だと思うのであれば、有能になる方法を模索する他に仕事への向き合い方はないからです。
もし「無能すぎて仕事から逃げたい」と感じるのであれば、その本心は「苦労したくない」「楽がしたい」などでしょう。人間誰だってできるだけ楽に生きたいですから、これらの気持ちを悪いと言っているわけではありません。
大切なのは、「無能だから辞めたい」は仕事から逃げる口実になっているかもしれず、それで逃げた先にはまた同じ理由で逃げざるを得ない状況が必ず来るということです。
仕事における本当の「無能」とは

ただ、仕事に支障をきたすほどの「本当の無能」は存在します。具体的には次の3つです。
- そもそも成長する気がない
- 自分さえよければいいと思っている
- 仕事の価値を理解していない
このなかに、実は「スキルがない」や「実務能力が低い」など一般的に考えられがちなものはありません。「無能」の意味は、能力や才能がないこと、役に立たないことですが、その言葉を使う人の根本的な問題は違うところにあるのです。
そもそも成長する気がない
今よりも良くなっていかなければ、絶対にどこかで役不足になります。子供から大人に成長するように、社会に出ても常に成長し続けなければ下りのエスカレーターを降りていくことになるでしょう。
当然ですが、環境は変化します。テクノロジーが発達すれば、常識も変わります。大なり小なり、どんな会社も成長が求められる中で、その関係者である人間に成長する気がないのであれば「無能」となります。
要は考える力が乏しいのであり、そこに問題意識がいかないの以上はパフォーマンスが上がる見込みもないということです。
自分さえよければいいと思っている
会社としては売上や利益を上げることが求められるわけですが、それをたった一人で実現することは当然ですが不可能です。同じ組織の人間はもちろんのこと、取引先がなければ絶対に収益は発生しないですよね。
そのため、仕事というものは常に「自分以外の誰か」が関係しますが、自分さえよければいいと思っている人は相乗効果を生めないどころかマイナスを循環させます。わかりやすく言うと、足を引っ張るわけです。
「自分さえよければいい」が、自身の属するコミュニティにプラスに作用することはありません。こうした独りよがりな考え=組織の衰退を招く考えを持つ人は無能と言われても仕方がありません。
仕事の価値を理解していない
無能とは、考える力が乏しいことだとお伝えしました。決して、能力やスキルが満たないことではありません。そんなものは常に起こり得るからです。大事なのは「足りないときにどうするか」であり、そのとき必要なのが「思考」というわけです。
「人間は考える葦(あし)である」という言葉がありますが、人間は自然界の中で弱い存在なのにも関わる繁栄できたのは、「考えることができたから」という意味です。
自ら考える力は、どんな人間にも必要な根本的なスキルセットです。それを放棄する人は有能にはなれないでしょう。仕事に価値を生むのは他ならぬ自分自身です。その意味を考えず、大事にできない人間は無能と言わざるを得ません。
無能すぎて仕事から逃げたいときの対処方法

上記に当てはまらないのであれば、あなたは本当は無能ではなく成長マインドをもった人間です。であるならば、考え方を変えて「自分を無能とすることで逃げたい」という思考を捨てましょう。
一方で、上記のいずれかに当てはまってしまう人は、次の対処方法を検討してみてください。
- 無能なことも自分の一部だと受け入れる
- 周囲に甘えてみる
- 思い切って仕事から逃げてみる
無能なことも自分の一部だと受け入れる
無能という言い訳を盾に逃げようとしている自分も、どこかでそれは間違いなんじゃと疑問を感じる自分も、すべて自分の一部です。良い悪いの二元論ではなく、それが自分という人間であることをただ認めましょう。
極論、今より良くなる方法を考えられるかどうかであり、それが嫌でしたくないのであれば自体が良くなることもありません。運任せの人生に再現性はないので、自分の意思で選ぶという行動基準を持たない事には人生の舵を取ることができないのです。
そのためには、まず「無能」が良いか悪いかを置いておき、今の自分をすべて受けいれることが必要でしょう。
周囲に甘えてみる
受け入れることができれば、ひっそり逃げることが決して未来を良くするものではないと理解できるはずです。さらに、「これが自分だからどうしようもない」と開き直れば、周囲の人に甘えることもできるかもしれません。
思考の癖がねじまがった人間が一人で悶々と考えていても良いことは起きづらいので、できるだけ近しい人間に甘える勇気も必要です。期待するでもなく、ただ自分をさらけ出すだけでも新たな価値観が生まれるものです。
思い切って仕事から逃げてみる
どうしても仕事から逃げたいのであれば、思い切って仕事から逃げてみるのも手です。もはや理屈ではなく、明確な動機がない「やってみたい」の気持ちがそうさせているかもしれないので、逃げた後のことはそのとき考えればいいでしょう。
周囲の人に迷惑をかけるかもしれないですが、それすらも経験だと割り切れるのであれば逃げることで気付きがある場合も。ただし、人生をもっと長い目で見るのであれば、「無能だから」を理由に仕事から逃げるのはおすすめしません。
仕事で逃げてもいい状況
無能かどうかはさておき、仕事ぬは逃げてもいい状況があります。以下のような状況の人は、構わず逃げてもいいでしょう。というよりも、早く逃げるべきです。
- パワハラやモラハラが横行している
- 給与の未払いや遅延が発生している
- 退職を伝えても受理されない
自分一人の力ではどうにもできなかったり、そもそも就業規則が守られていないなど、そこに居続けることでマイナスになっているような職場から逃げた方がよいです。
仕事で逃げてはいけない状況
一方で、辛くても逃げてはいけない(逃げない方がよい)状況もあります。
- 仕事が覚えられない
- 仕事で失敗して落ち込んでいる
- 苦手な人や嫌いな人がいる
辛い気持ちもわかりますが、これらに当てはまる場合は逃げない方がよかったりします。今だけではなく、できれば少し先の未来まで考えたときに、逃げることが将来のためになるのか?を考えてみてください。
「逃げてもいい人」と「逃げてはいけない人」の違いとは?辛い現実への正しい対処法をお伝えします
どんなことにも『よかった』は存在する

自分が無能だと悩んだときは、将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。目標がないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。
和田裕美の最新情報や、営業ノウハウや、好かれる話し方などの学びが無料で届きます!
メルマガにご登録いただくと
・『人生を好転させる「新・陽転思考」』の第一章
・『成約率98%の秘訣』特別ポケットブック(非売品)
のPDFをプレゼントします。
メルマガも読んでみて、ちょっと違うと思ったらすぐに解除できますので、興味のある方はぜひご登録ください。