
「最近、仕事でミスが多く、周りの同僚と比べて自分の能力が低いんじゃないかと思う…」
「失敗したことをいつまでも引きずってしまい、新しいことに挑戦するのが怖い…」
そんなふうに、いつもネガティブ思考になってしまうのはつらいですよね。真面目で責任感が強い性格の人は、ちょっとした仕事のミスでも大きく落ち込み、自分を責めてしまいがちです。
自分を否定してしまう気持ちが強くなればなるほど、自己肯定感は下がり、さらなる不安やストレスを招きやすくなります。
この記事では「マイナス思考」の特徴や原因、メリット・デメリット、そして考え方を改善する具体的な方法や、専門家に相談すべきタイミングなどを詳しく解説します。マイナス思考を克服して前向きな行動へと移せるよう、一緒にポイントを押さえていきましょう。
マイナス思考とは
マイナス思考(ネガティブ思考)とは、物事を必要以上に悪い方向へと捉えてしまう思考パターンを指します。たとえば、ちょっとした失敗でも「もうダメだ」「自分は能力が低い」と極端に悲観的な結論を導きやすかったり、行動を起こす前から「きっとうまくいかない」と決めつけてしまったりするのが特徴です。
こうしたマイナス思考が強くなると、自己肯定感が下がってしまい、日常生活や仕事でのストレスが増大します。その結果、新しい挑戦を避けるようになり、さらなる落ち込みへとつながる悪循環を引き起こしがちです。
一方で、リスクを回避する力や準備を怠らないストイックさなど、マイナス思考にもメリットはあります。
マイナス思考の人の特徴
マイナス思考とは、物事を悪い方向に考えがちになり、些細なきっかけでも落ち込んでしまう思考パターンのことです。
- 何でも悪い方向に考えやすい:物事のネガティブな側面ばかりに目がいき、「この先も失敗を繰り返すのでは」と考えがち。
- 心配性が強く悪い未来ばかり想像してしまう:まだ起こっていないトラブルや失敗を想像して、過度なストレスを感じやすい。
- 自己肯定感と自己評価が常に低い:「どうせ自分なんて」と自分の能力や価値を過小評価し、ほめられても素直に受け取れない。
- 何をしても後悔しやすい:過去のミスや選択を執拗に引きずり、次の行動に踏み切れない。
- 失敗=悪と考えて行動できない:失敗を恐れるあまり、新しいことに挑戦したり行動を起こしたりする勇気が出ない。
例えば、「自分は本当に仕事ができない」と感じている人の場合、「こんな簡単な仕事も失敗するなんて、上司や同僚に呆れられているかも…」と考え、次の業務に取りかかるのにも不安を感じてしまうのです。
何でも悪い方向に考えやすい
マイナス思考の代表的な特徴の一つが、「何かあるとすぐに悪い方向に考えてしまう」という傾向です。例えば、仕事で小さなミスをしてしまったときに「このまま評価が下がってクビになるかもしれない」と極端な未来を想像し、自分の失敗を必要以上に大きく捉えがちです。
悪い結果ばかりを予想してしまうと、ネガティブ思考が連鎖していき、気持ちがどんどん落ち込んでしまうでしょう。
しまうのです。
具体例 | 改善のヒント |
社内プレゼンの前から「質問に答えられなかったらどうしよう」と不安で眠れない。新しい部署に配属が決まった途端、「人間関係でトラブルになるのでは?」と先読みして落ち込む。 | 不安を感じたときは、紙に書き出し、現実的に考えられる対策を整理する。心配事を話せる友人や先輩を見つけ、悩みを共有する。言葉にするだけで気持ちが軽くなることがある。 |
心配性が強く悪い未来ばかり想像してしまう
マイナス思考の人は、まだ起こっていないことに対しても不安やストレスを抱きやすい傾向があります。未来のことは誰にもわからないにもかかわらず、「絶対に失敗する」「また同じミスを繰り返すかもしれない」といったネガティブな予測で頭がいっぱいになってしまうのです。
具体例 | 改善のヒント |
社内プレゼンの前から「質問に答えられなかったらどうしよう」と不安で眠れない。新しい部署に配属が決まった途端、「人間関係でトラブルになるのでは?」と先読みして落ち込む。 | 不安を感じたときは、紙に書き出し、現実的に考えられる対策を整理する。心配事を話せる友人や先輩を見つけ、悩みを共有する。言葉にするだけで気持ちが軽くなることがある。 |
自己肯定感と自己評価が常に低い
「どうせ自分なんて」「自分は能力が低いから…」というふうに、自分自身の価値を低く見積もりがちな人は、結果としてネガティブ思考に陥りやすいです。ちょっとした成功を「運が良かっただけ」と片付けてしまい、周囲から褒められても素直に喜べないことが多いのも特徴と言えます。
具体例 | 改善のヒント |
上司に「よくがんばったね」と褒められても、「たまたまタイミングが良かっただけ」と思ってしまう。周囲と比べて「自分はダメだ」と感じるあまり、新しい仕事を任されても「無理ですよ」と断りがち。 | 毎日、日記やメモに「今日できたこと」を1つでも書き出し、自分の努力や成果を確認する。自分を責める言葉を使いすぎていないか、セルフトークを見直す。 |
何をしても後悔しやすい
過去に起こった失敗や選択を必要以上に引きずり、「あのときこうすればよかった」と何度も振り返ってしまうのもマイナス思考の特徴です。一度してしまった行動を変えることはできないのに、後悔の気持ちを何度も繰り返すことでストレスが増大し、行動意欲が下がる恐れがあります。
具体例 | 改善のヒント |
昔、別の仕事を選んでいればもっと成功できたのに…とずっと悩む。前職を辞めたタイミングを「早すぎたかも…」と責め続ける。 | 「あのときできるベストは尽くしていた」と、自分に言い聞かせる。過去の後悔を「今後の改善策」に変える視点を持ち、経験を活かす。 |
失敗=悪と考えて行動できない
マイナス思考が強いと「失敗したらどうしよう」「周囲に迷惑をかけるんじゃないか」と考えすぎて、なかなか行動に移せません。慎重になりすぎてチャンスを逃し、新たな経験が積めないことで余計に「自分は何もできない」と思い込んでしまう悪循環が生まれることもあります。
具体例 | 改善のヒント |
セミナーや研修への参加を「自分には難しそう」と断り続け、スキルアップの機会を逃す。企画を思いついても「皆に否定されるかも」と心配し、提案しない。 | まずは「行動のハードルを下げる」ことを意識し、少しずつ慣らしていく。小さい成功を積み重ねることで自己肯定感を高め、徐々に大きな行動にチャレンジする。 |
マイナス思考になる原因

マイナス思考になってしまうのには必ず原因があります。それを知らずに悶々と悩んでも解決の糸口は掴みづらいため、自身に向き合って根本原因に気が付くことが大切。
マイナス思考になるのは、主に以下のような原因が考えられます。
幼少期の体験から作られた性格
もともと慎重で完璧主義の人は、失敗を許せずに強いストレスを感じやすく、ネガティブ思考に陥る傾向があります。責任感が強い方や、周囲からの評価を気にしがちな方は要注意です。
性格は、幼少期の体験から作られることが多いです。そのため、小さい頃に受けた教育や生活の環境などが影響して、大人になってもその傾向が根強く残ることからマイナス思考を変えづらくなります。
環境など外から持ち込まれるストレスやプレッシャー
過酷な職場環境や人間関係のトラブルなど、外部からのプレッシャーが大きいと精神的な余裕を失いがちです。プライベートの問題や経済的な不安なども重なると、心が疲れてしまい、「どうせ自分なんて…」という思考に結びつきやすくなります。
外的環境によって本来の自分を見失ってしまうこともあります。元来、前向きだった自分が外からの圧力によって変えられてしまうパターンです。内的なものではない分、環境次第でネガティブにもポジティブにもなりやすいでしょう。
病気や障害
うつ病や不安障害など、心の病気・障害が背景にある場合もあります。厚生労働省のデータによると、近年はストレス社会の影響で心の不調を訴える人が増えていると言われています。
もしマイナス思考が長期間にわたって続き、日常生活に支障が出ている場合は、精神科やカウンセリングなど専門家への相談も視野に入れてみましょう。
マイナス思考は悪いことではない
マイナス思考というと「良くないもの」と思われがちですが、実は良い面もあります。ひとえに「悪いこと」と結びつけるのではなく、両面をフェアに見てみましょう。
マイナス思考のメリット | マイナス思考のデメリット |
大きな失敗をしにくいストイックに努力できる | ストレスを感じやすい鬱になる可能性があるチャンスに恵まれにくい |
このように、マイナス思考には長所もあるものの、過度になればあなた自身の可能性を狭めてしまうリスクが高まります。そのため、「マイナス思考自体は良いも悪いもない」ことを知ったうえで、適度にコントロールすることが大切です。
マイナス思考のメリット

マイナス思考には大きく分けて2つのメリットがあります。
- 大きな失敗をしにくい
- ストイックに努力できる
悪い未来を考えるからこそ、選べる行動があります。とくに、人間は都合が悪い情報は遠ざけてしまうもので、そうすることで何も知らないままでいる=原因も対策もとらないといった、悪い意味で楽観的な人も少なくありません。
マイナス思考のメリットは、そうならないための処方箋を自ら与えることができることです。
大きな失敗をしにくい
マイナス思考には「ネガティブだからダメ」と思われがちですが、実は良い面も存在します。その一つが「大きな失敗を回避しやすい」というメリットです。マイナス思考の人は物事を慎重に考えるため、リスクが見えた段階でしっかりと対策を検討します。
いわゆる“先読み能力”が高い傾向があり、計画性を持って行動するために思わぬ落とし穴を避けやすいのです。
ストイックに努力できる
マイナス思考のもう一つのメリットは、「ストイックに努力を続けられる」ことです。「失敗したくない」「評価を下げたくない」という思いが強いため、人一倍準備や勉強を重ねる傾向が強く、その結果、スキルや知識を着実に身につけられる人が多いです。
マイナス思考のデメリット
マイナス思考のデメリットを改めて整理すると以下の3つです。
- ストレスを感じやすい
- 鬱になる可能性がある
- チャンスに恵まれにくい
マイナス思考は使いようですが、自覚して止めないと、コルチゾールが出続けてネガティブの洪水を引き起こします。行くところまで行ってしまうと、わかっていても自分ではどうしもない事態にまで発展する可能性があります。
ストレスを感じやすい
マイナス思考のデメリットとして、常に悪い方向を想定しているとストレスをため込みやすい点が挙げられます。あらゆる事柄に対し「失敗したらどうしよう」「もしうまくいかなかったら…」という緊張感を持ち続けているため、自分でも気づかないうちに心と体を疲弊させてしまうのです。
鬱になる可能性がある
ネガティブ思考が長期化して日常生活に支障が出るほど落ち込みが続くと、うつ病などのメンタルヘルス不調に繋がるリスクが高まります。特に自己肯定感が極端に低いまま放置してしまうと、将来への希望を失い、日々の生活に楽しみを感じられなくなる恐れがあります。
チャンスに恵まれにくい
マイナス思考を抱えていると、「自分には無理だ」「失敗するかもしれない」という不安が先立ち、なかなか行動に移せなくなります。たとえば、新しいプロジェクトやキャリアアップの機会が巡ってきても、ネガティブな先読みをしてしまうため、せっかくのチャンスをみすみす逃してしまうことがあるのです。
また、常にネガティブな言動をしていると、周囲から「やる気がない」「積極性が乏しい」と判断されやすくなり、仕事のオファーや重要な任務などに声をかけてもらいにくくなる場合もあります。
マイナス思考を改善する方法

最後に、マイナス思考を少しでも和らげ、ポジティブな思考パターンを身につけるための具体的な方法を紹介します。
ポジティブな人と一緒にいるようにする
人の感情は伝染しやすいものです。周囲にポジティブな言葉や行動をとる人がいると、自分も自然と前向きな気持ちになれます。少しずつでもよいので、楽観的な仲間や友人と過ごす時間を増やしてみましょう。
小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を上げる
いきなり大きな挑戦をするのは怖いですが、小さな成功体験なら達成しやすいもの。
- 一日のうちに「これだけはやる」と決めたタスクを終わらせる
- 朝のルーティンを守る(早起き、朝食をきちんと食べるなど)
こうした“小さな成功”を積み重ねるだけでも、自己肯定感は高まりやすくなります。
前向きな言葉を積極的に発する
言葉には不思議な力があります。「絶対ダメだ」ではなく「うまくいくかもしれない」「やってみよう」と言い換えるだけでも、脳はポジティブな方向へ反応しやすくなります。自分で自分を励ますような言葉を意識的に選んでみましょう。
身体を動かす
運動にはストレス発散や気分転換の効果があります。ウォーキングや簡単なストレッチなど、ハードルが低いところから始めてみるのがおすすめです。身体を動かすことで血行が良くなり、脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の分泌が促され、気分が上向きになることがあります。
「失敗しても良いんだ!」と開き直る
失敗を避けようとするあまり動けなくなるなら、逆に「失敗してもいい」と考えてみましょう。失敗はそれ自体が貴重な経験であり、学びのチャンスでもあります。最初から完璧を目指さず、行動することで得られるメリットの方に目を向けてみてください。
マイナス思考との付き合い方
マイナス思考を完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、それを否定的に捉えるのではなく、うまく「使い分け」たり「受け入れ」たりすることで、あなたの人生にプラスに働かせることができます。
マイナスエネルギーをプラスの原動力に変える
「失敗したくない」という気持ちは、裏を返せば「成功したい」という強い意志の表れでもあります。そのエネルギーを、事前準備や計画づくりに活かせば、より慎重かつ効率的に物事を進められるでしょう。
マイナス思考とプラス思考を使い分ける
大事なプレゼンや新しい企画を考えるときには前向きな思考が必要ですが、リスクを検討するときにはネガティブ思考が得意です。「ポジティブ=善、ネガティブ=悪」という二元論ではなく、状況に応じてバランスよく使い分けられるようになると理想的です。
自分のアイデンティティーだと受け入れる
マイナス思考はあなたの性格の一部かもしれません。無理に消そうとするより、「自分にはこんな面もある」と認めたうえで、必要なときに制御できるように意識してみましょう。自己否定をせずに受け入れることで、心が少し軽くなるはずです。
どんなことにも『よかった』は存在する

マイナス思考から抜け出せなくて悩んだときは、自分の将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。目標がないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。
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