「静かな退職」の何が悪い?デメリットしかないと言い切れる真実と頑張らない人の本心とは

アメリカのTikTokから拡散した「静かな退職」という概念。近年、日本でもZ世代を中心に広がりを見せるなどトレンドワードになっています。

しかし、静かな退職を良しとしない風潮もあるなど、一部では物議をかもしているため「静かな退職の何が悪いの?」と感じる人もいるでしょう。

本記事では、「静かな退職」の良し悪しを長い人生の観点から紐解いていきます。

「静かな退職」とは

「静かな退職」とは、会社に従事しながら最低限の仕事だけをこなす考え方です。出世や昇給など多くを望まず、与えられた仕事だけを淡々とこなすことで、肉体的・心理的なストレスが極力少なくなるように「仕事を頑張らない」のが特徴。

まさに静かな「退職」状態です。

静かな退職を望む裏には、「頑張っても評価されない」や「頑張っても報われない」という諦めがあります。他にも「ワークライフバランスを大事にしたいから」など表面的な動機はありますが、結局は「仕事を頑張る価値を見出せない」ことが最大の理由でしょう。

年金問題や物価上昇に伴わない所得水準の変化など、現役世代が「自分たちは報われない世代」と悲観する背景もあります。ただし、環境のせいにして頑張ることを止めた先には、決して明るくない未来が待っています。

「静かな退職」の何が悪い?

まず結論からお伝えすると、「静かな退職」は自分にとって悪い未来しかもたらしません。努力がすべて報われるなんてことはなく、無駄な努力に終わることは仕事以外でも同じです。しかし、努力しない限りその土台に乗ることもないため、人生が豊かになる可能性をゼロにしてしまいます。

「仕事をほどほどにして、人生もそれなりであれば不満はない」と、それが豊かな人生でもいいじゃないかと考えている人もいるでしょう。ですが、果たしてそれは未来の自分にとっても同じでしょうか。

たしかに今はいいかもしれません。環境によっては、バランスの良い力の入れ具合なのかも知れない。だけど、今と将来は状況も求めることも変わるものであり、今の価値観が永遠に続くと安易に考えていたら、実際にそれが訪れたときギャップの大きさ驚くことになります。

「静かな退職」は未来の自分への負債

幼少期も学生時代も、過去を振り返って「頑張らない方が良かった」ことはないと思います。頑張る方向性が違ったり、頑張っても報われなかったからやめておけばよかったという後悔は誰にでもあるでしょう。しかし、それは「頑張った経験」があるからわかったことです。

つまり、社会に出た後も「頑張らないとわからないこと」だらけであり、さまざまなことに挑戦して自分を高めていかなければ市場価値も上がらず、生産性を高められない人を採用する会社はドンドンと減っていくでしょう。

ある意味、人生はゲームのようなものです。ルールや制約があって、そのなかでもっとも良くなるために苦労もするし、その分だけ喜びも味わえます。人生は思ったとおりにはいかず、行動したとおりにしかなりません。なのに、酸いも甘いも経験しないまま、わかったように振舞うのは未来の自分に面倒を先送りしているだけなのです。

「静かな退職」を求める人に訪れる逆風

会社に所属する以上、どんな仕事をしていようが給料が発生します。給料が発生するということは、仕事に対する責任も伴います。「頑張っていようがいまいが、最低限の仕事をしていれば責任は果たしている」と反論が聞こえてきそうですが、たしかに今だけはそうかもしれません。

ただし、事業や社会は発展していくことが前提にあるため、成長を止めた人から自動的に振り落とされていきます。年齢を重ねるにしたがって求められる役割や価値は移り変わり、必要とされ続けるためには相応の努力が必要になるでしょう。

「年齢を重ねても今と同じ給料で良い」

「少ない給料でも満足している」

と人生設計をほどほどにしても、目標は8割で着地するのが関の山であり、実際には物価上昇や税負担の増加などで実質的な収入は減っていく可能性が高いです。そんな未来に向けて、今より良くなる努力をしないまま迎えるのは逆の意味で勇気があります。

「静かな退職」はデメリットしかない

一部では「ワークライフバランスがとりやすくなり、睡眠時間も安定する」や「ストレスが減って楽になる」といった意見もありますが、それらはメリットなどではなくデメリットです。

そもそも人生は寝るためのものでしょうか。無理をして睡眠時間を削るのは悪いことです。しかし、寝るために仕事を諦めるのは本末転倒でしょう。そのうち、時間ばかりあってもお金や選択肢がないなど将来が不安で結果的に眠れなくなります。

また「ストレスが減る」のは良いことですが、「楽になる」のは良い面ばかりではありません。心も筋トレと同じで、負荷を経験して強くなります。耐性を付けていかなければ、いつまでも同じ負荷に耐えられないままどころか、ドンドンとハードルが下がっていき最終的には「人と会話すること」すらもストレスになるでしょう。

時間と共にできることが減っていく人生の先まで考えたとき、本当に「静かな退職」にメリットがあると思うでしょうか。

失敗を恐れる必要はない

「静かな退職」を望むのは、失敗するのが恐いからです。頑張っても無駄になるのが嫌なのは、それを失敗とだけ捉えてしまうからです。ですが、実は失敗を恐れる必要はない明確な理由が存在します。

それは、成功も失敗もただの経験にすぎないためです。両社は相反するものですが、成功があるのは失敗があるからであり、成功だけを経験して生きられる人間はこの世に一人もいません。豊かに見えるあの人も、知らないだけで裏ではたくさんの失敗を経験しています。

経験に勝る資産はありません。つまり、失敗という経験は自分を経済的身も精神的にも豊かにするものなのです。筋肉をつけたくて筋トレをしているのに、筋肉痛が嫌だからと止める人はいないでしょう。筋肉痛がもたらす後の効果を知っているからです。

生活し続けるために仕事をしているのに、失敗が嫌だからと頑張らないのは、それと同じ意味です。

どんなことにも『よかった』は存在する

何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。

仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。

  • もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
  • 乗り越えたことで耐性ができた
  • 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
  • 仕事への価値観や人生について考えることができた

考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。

陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。

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