仕事でミスが続くと、肉体的も精神的にも追い込まれてしまうでしょう。一つ一つは実は大きなミスではなくても、積み重なればそれなりのダメージになります。
頑張っても報われない時は誰にでもあります。ただし、「何となく運が悪い」と考えていては何事も上手くいきません。大切なことは、負の連鎖を断ち切るために、きちんと状況を把握し適切に対処することです。
仕事でミスが続くときの原因
仕事でミスが続くときの主な原因は次の4つです。
- 根本的な問題に気付いていない
- 焦りや葛藤で自分本位な仕事をした
- 当事者意識が薄いなかで仕事をした
- 悪いことが重なるタイミングだった
仕事でミスする原因は、必ずしも怠惰ややる気の無さではなく、それなりに真面目な性格の人でもこれらに当てはまることで失敗が重なることがあります。
ミスが続くと自信を失い、解決策も浮かばなくなってしまいがちですが、実は考え方を少し変えるだけで光明はさします。
根本的な問題に気付いていない
「正しく進めているはずなのに、なぜこんなにもミスが続くんだろう・・・?」と感じる人は、普段真面目に仕事に取り組んでいる人かと思います。ミスが続くことに焦りを覚えているためです。
上司やクライアントに怒られることよりも、ミスばかりする自分に絶望してしまう。そんな悪い意味で真面目な人がやりがちなのが、根本的な問題に気付いていないことです。
例えば、会社のやり方に従っているのにミスが続くのであれば、そもそもそのやり方が間違っているかもしれないですし、自分だけが問題ないと思い込んでいるだけで、他人からすれば確認や手順が甘いことも珍しくありません。
仕事のミスとは、誰かにとって不利益をもたらすものであるため、それを被った人の立場で考えることで根本的な問題に気付きやすくなります。
焦りや葛藤で自分本位な仕事をした
続いても、真面目な人に起きやすい原因です。悪意はなくても、焦りや葛藤で自分本位な仕事をすれば必ず自身に返ってきます。それがすぐかもしれないし、タイムラグがあり少し後になるかもしれない。
自分本位な仕事は、会社や事業が求める成果に向かっておらず、「自分のためであれば何でもいい」という身勝手なものです。「厳しいノルマがあるせい」や「どうしても自分に都合のいいように進めなかった」など、仕方なくやってしまったと他責で考えてしまっている場合が多いのです。
どんなに小さなことでも、後ろめたい自分本位な仕事をすれば、いつかしっぺ返しを食らいます。決して甘く見るのではなく、やってしまったことには責任が伴い、誰かが必ず見ているし気付くのだと考えましょう。
当事者意識が薄いなかで仕事をした
当事者意識とは、それが自分の仕事であると強く自覚することです。パフォーマンスが上がらない多くのビジネスパーソルに共通するのは「当事者意識の欠落」であり、仕事はやらされているものと、どこかで考えてしまっているのです。
それでは仕事で成果は出せないですし、ミスが起きても何が原因だったのか気付けません。ミスはいけないことだと理解していても、「でも自分のせいじゃなし」や「やりたくてやってる仕事じゃない」と逃げ道を探します。そして、自己防衛のために最終的には他人が悪いとなります。
「当事者意識は持ってるつもり」でも、実際は足りていないのです。仕事でミスが続くということは、やるべきことをやっていないか、求められている成果に迎えていないため、自覚上はどうであれ「当事者意識が薄かったかもしれない」と自らを見直すべきでしょう。
悪いことが重なるタイミングだった
悪いことは重なるもので、たまたまいくつかのミスが同じタイミングで発生してしまうこともあります。頑張ってもなぜか成果に繋がらなかったり、かえって事態を悪くしてしまったりと、不運な時期は誰にでもあるものです。
実際にはもちろん原因はあるのですが、「悪いことが重なるタイミングだった」と開き直ることも大切です。誰が見てもひどい仕事をしてしまっているのでなければ、ミスが続いてもあまり考えすぎず、リカバリーするためにやるべきことをやった方が非常に建設的でしょう。
仕事でミスが続く負のスパイラルから脱する方法
仕事でミスが続く負のスパイラルから脱する方法は次の3つです。
- 個別できちんと対応していく
- スキル不足を認める
- 仕事の意味や目的を再確認する
同じ内容のミスを繰り返すのか、それとも異なる仕事のミスが複数発生するのかで対応策は異なります。前者の場合は、そもそも能力が足りていないか意識が低い可能性が高いです。後者の場合は、冷静に対処すれば解決できるため複雑に考えすぎないことがポイントになります。
個別できちんと対応していく
ミスが続く、とはいえ点で見ればそれぞれ個別の仕事です。失敗が続くとつい一連の流れとして捉えがちですが、それぞれ原因も対処方法も異なるため、細分化して個別できちんと対応していかなければいけません。
悪いことが重なって気が滅入る気持ちもわかりますが、そんなときほど冷静になり、正しい対応を地道に遂行していくしかありません。運よく問題が片付くとか、知らないフリをしていれば誰かが片付けてくるといった変な期待は捨てましょう。
スキル不足を認める
仕事でミスするのは、結局のところスキルや能力が不足しているからです。人材要件的な意味のスキルセットが足りていればよいというころではなく、立ち回り方や調整・進行の技術、雲行きが怪しくなった時の対処など、すべて含めて『能力』です。
「自分としては正しい仕事をした」と思いたいところを、「それでも最終的には自分のスキル不足が原因だ」と考えることができれば、他者に依存せず、自分の意思一つでコントロールできる内的要因に集中できるようになります。
上手くいかないことを他責にしても問題は解決しません。誰が良い悪い、自分が頑張っている頑張っていないなど余計なことは忘れ、「今よりももっと良くなる」ことだけにフォーカスしましょう。
仕事の意味や目的を再確認する
抽象度が高い話になりますが、仕事でミスをするのは心のどこかに慢心やおごりがあるためです。言い換えれば、その仕事を「自分のためにやる」という意識が弱く、仕事の意味や目的がブレてしまっているのです。
与えられた仕事だから、言われたことをやるのが仕事だから、などと考えていては好循環には入れません。すべての仕事に意味を持って取り組めるようになれば、例え悪いことが続いても行動や考え方がブレることは少なくなります。
どんなことにも『よかった』は存在する
何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。
和田裕美の最新情報や、営業ノウハウや、好かれる話し方などの学びが無料で届きます!