逃げ癖がついた人に待ち受ける末路|一時の楽のために将来を棒に振ることに気付かないのはなぜか?

前途多難な人生において、誰しも一度は「逃げたい」と何かしらの問題にぶち当たったことがあるでしょう。「逃げる」とは、危険を避けて、身を隠すことを言います。言葉の意味からすれば、自己防衛のためには逃げることも大切だと思うことでしょう。

しかし、人生は「逃げた方が良い場面」と「逃げない方がいい場面」が存在します。この見極めができないまま、耐えるべき状況でもすぐに背中を向けても将来が明るくなりません。

「そんなことはわかってる」という声が聞こえてきそうですが、ではなぜ、逃げ癖がついてしまう人がいるでしょうか。そして、逃げ癖がついた人の末路は果たして悲惨なのでしょうか。

逃げ癖とは

逃げ癖とは、何か自分への不都合があったときに「逃げる」選択肢がもっとも優先されることです。困ったら逃げる。都合が悪くなったら逃げる。辛くなったら逃げる。癖とは、繰り返して身に付いた“偏った”習慣です。

逃げることが正しくはないこと理解している。しかし、それでも困難な状況に陥ると「逃げてしまえばいい」と対策方法の一つとして捉えて、後を深く考えずに逃げてしまう。「今が良ければいい」という考えは、一時の楽のために将来を棒に振ることにつながってしまいます。

逃げ癖という悪癖は、できるだけ早めに取り除かないと残りの人生における選択肢をドンドン狭めてきます。

逃げても問題は解決しない

逃げ癖が付く人が、根本的に勘違いしているのが「逃げても問題は解決しない」ということです。自らを危険から遠ざける一方で、問題そのものは存在したままです。言い換えれば、問題は立ちふさがったままなのに、それに背中を向けているような状態。森で野生のクマに遭遇して、背中を向けてしまっては生存率を下げてしまいますよね。

困難な問題とは、簡単には解決できないものです。もしくは、解決する方法があっても見つけづらいものでしょう。とはいえ、正面を向いて相対していれば勝率が50%はあったものを、背中を向けたらゼロになります。

少なくとも、問題はそこに残ったまま。逃げて姿が見え無くなれば、自分にとっては解決したかのようにも思えます。しかし、問題が解決したわけではないため、また同じような問題が発生したときにできることは「逃げる」しかないのです。

逃げ癖が付いてしまった人に待ち受ける末路

逃げることの楽さに依存してしまう人は少なくありません。一度でもそれをやってしまうと、次も同じ手段を取りやすいため、「困ったら逃げればいい」と逃げ癖がついていきます。

「逃げ続ければいい」と間違ったポジティブ思考の人もいます。しかし、逃げ癖が付いてしまった人に待ち受ける末路は悲惨なものです。大体の人は、次のいずれかのような結末を迎えることでしょう。

まず最初に考えてほしいのが、困難から逃げ続けて人生が豊かになるなら、全員がそれで幸せになっているはずということです。当たり前ですが、現実はそうではありませんよね。おそらく、このページをご覧の方も「逃げることは良いことではない」と頭では理解しているはずで、逃げても人生は豊かにならないことを知っているのです。

逃げても人生は乏しくなる一方です。乏しいとは、自分で選べないこと、望んでいないこと、何かが不足していて満足できないこと。逃げて選択肢が豊かになることはありません。目の前の問題から逃げても、誰かの言いなりや意思で生きていくしかない状況を自ら招いているのです。

人生の豊かさに大きく関わる要素の一つが年収、つまりお金です。大金を持てば幸せになるなんてことはありませんが、お金のあるなしで、解決できる問題の数も変わってくるのは事実です。

人は、できないことの数だけ可能性を狭めています。自分の意思で狭めているのなら、気持ちの切り替えでいつでもクリアできます。一方で、お金という物理的な問題はそうはいきません。対価を払えなければ、それを手にすることはできません。

そのため、年収が高いほど「お金で得られる選択肢」が必然的に増えます。しかし、逃げ癖がある人は決して労働生産性が高いとは言えず、成果を出すことに向き合っていないため、年収は下がり続けてしまうでしょう。どこかで問題に気付き、それを克服できれば過去を糧に浮上できます。

逃げ癖のポイントは、「逃げることはよくない」と当人が理解していることです。わかっていてもやってしまうことが、この問題の難しいところで、将来の自分を不幸にしてしまうことをわかっていて実行するのは自分の意思をコントロールできないからです。

好きで逃げたわけじゃない。本当は自分だって逃げたくない。正しい価値観をもっていたはずなのに、誰かの悪意に貶められて逃げるようになってしまった人も大勢いるでしょう。逃げれば逃げるほど、人を信じることはできなくなっていきます。問題を起こしているのは、大体が人間だからです。

逃げ癖がつくと、人に期待できなくなっていきます。危害や不都合を与えてくる他人だけではなく、最適解ではないと知りながら逃げる自分自身に対してもです。

逃げ癖がつく原因

このような末路を迎えてしまうにもかかわらず、なぜ逃げ癖がついてしまうのか。その主な原因は次の3つです。

  • 相手を捉えようとしない
  • リスクを受け入れていない
  • 自分を高く見積もっている

「逃げる方が楽で、それを身体が覚えてしまっている」といった、心が反射的にそれを選んでしまうのは結果論です。「逃げる=楽」がそもそも勘違いであり、自分の人生を今後どうしていきたいか?をきちんと考えられれば、逃げ癖を直すのは決して難しいことではありません。

逃げるとは、相手(問題)に背中を向けることだとお伝えしました。問題の原因や本質を知ろうとしなければ、解決できないのは当たり前です。例えば仕事であれば、業務内容に問題があるのか、人間関係がボトルネックになっているのか、さらには、能力不足なのは自分なのか相手なのか。

「辛いから、自分に不都合なことは考えたくない」と、相手の本当の姿を捉えようとしなければ解決できるはずもありません。相手が大きな姿(問題)に見えていたが、横から見たらペラペラだった(大したことなかった)ということも少なくないです。しかしそれも、正面から相手を捉えて初めてわかることです。

問題解決に必要なのは「手段の数」です。どれが正解かはわからないだからこそ、たくさんの方法のなかから選択した方が勝率は高まります。相手を多角的に見れば、自ずと選択肢は増えていくのです。

「リスクを負いたくない」と、ほとんどの人が同じように考えています。ですが、人生において一切のリスクを排除して生きることはできません。何かをするときに危険を伴うのは、どんなことにも共通する理なのです。言い換えれば、手にしたいものが大きいほどリスクが高いのは当然であり、何でもローリスクハイリターンを望む方が不自然です。

困難な問題を解決するのは、相応のリスクを負います。自分が悪いか他人が悪いかは関係ありません。その場合のリスクとは、怒られて嫌な思いをすること、嫌われてしまうこと、自分の存在を否定してしまうこと、色んな「嫌なこと」があるでしょう。どれも、されて喜ぶ人はいないため避けたいものです。

ここで重要なのは、「リスクを負えば、立ち向かえる」ことに気付けるかどうかです。人間関係で悩み逃げたいのなら、嫌われても立ち向かって白黒つけた方がいい。仕事で逃げたいほどの困難に直面したら、開き直ってできることだけに集中すればいい。それでもしダメだったとしても、その経験を糧にして次に活かせばいいのです。

失敗したくないから逃げたり、落ち込んだりするのは、自分を高く見積もっていることが原因です。これは自意識過剰や自信過剰とは異なり、無意識にそう思い込んでしまっているのです。普段からネガティブで自身がない人にも起こり、だからこそ、自分を高く見積もっていたことに気付きづらいです。

「よく考えたら、自分なんてそんなもんだ」

「いやいや、これは起こるべくして起きた状況だ」

と、自分の能力に対して問題の大きさを図るのではなく、起きた問題に対して自分が足りなかったのは当然だと考えた方が「等身大の自分」でいられるでしょう。

等身大の自分を捉えるのは難しいことですが、問題が起きたら「そうなっても仕方がなかった自分なんだ」と考えるのがポイントです。限界を迎えて逃げてしまう人も、「自分なんてそんなもんだ!」と一旦自分をゼロにして考えられれば楽になります。

どんなことにも『よかった』は存在する

何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。

仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。

  • もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
  • 乗り越えたことで耐性ができた
  • 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
  • 仕事への価値観や人生について考えることができた

考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。

陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。

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