一度も失敗をしたことが無い人間は存在しません。どんなに立派に見える人でも、度重なる失敗を繰り返して、今があるのです。
だからこそ「失敗してもいい」と自分にも言い聞かせてみるけれど、なぜか恐怖や不安に苛まれてしまう。なぜ多くの人は失敗を受け入れることができないのでしょうか。
その理由は、失敗そのものに対する考え方を根本的に間違えているからです。
「失敗してもいい」は事実
結論から先にお伝えすると、「失敗してもいい」という言葉は事実です。というよりも、失敗しない方法がないのだから当然です。新しいことを始めるとき、何かに挑戦するとき、それをまだ経験していないのに成功だけを引き続けることはできません。失敗しない方法なんて存在するのなら、株やFXで大損する人もいません。
でも世の中には、投資で成功する人もいるわけで、何をしているかといえば「失敗から学び、違うことを試してる」だけです。これって裏技でも特別な能力でもなく、失敗という経験をプラスに変えたに過ぎません。仕事もプライベートもすべて同じことです。
つまり、何事においても失敗という事実は避けられいのだから、それを「してはいけないこと」にするのも無理があるのです。失敗を受け入れられない人は、「してはいけないことを、してしまった」と思い違うからこそ、塞ぎ込んでしまうというわけです。
「失敗してもいい」けど「気にしない」は間違い
要は失敗という経験を、次にどう処理するかが明暗を分けるのです。段差で転んだら、立ち上がりますよね。次はもう転ばないように、段差に注意するようになって転ぶ確率がグッと下がりますよね。それと同じことなんです。
「転んで恥ずかしい思いをしたからもう嫌だ!」と塞ぎ込んで、寝転んだままになってしまう。恥ずかしさのあまり、目的地に向かうことを止め、家に帰ってしまう。そんなことに何の意味があるのでしょうか。何が「自分のためになるのか」を考えれば、それでも前に進む以外に選択肢はないはず。
「失敗してもいい」は慰めの言葉ではありません。人生の分岐を合理的に判断するための指針です。前者だと思えば、惨めな自分には受け入れがたくなり、後者だと思えば、誰でも当たり前に受け入れていいものだと感じるでしょう。
「失敗してもいい気にしない」考え方になる3つのコツ
そうはいっても、いきなり前向きには捉えられないという人も多いでしょう。そんなときは、失敗したときに次の3つを意識してみてください。
- 経験値を稼いだと考える
- 過去最低を更新したと考える
- お金に転換する
特別難しいことは一つもありません。すべて誰にでも、今すぐにできることばかりです。
経験値を稼いだと考える
RPGのゲームでモンスターと遭遇したとき、倒せば経験値が手に入り、直せなければリトライになりますよね。リトライするときは、前の結果を踏まえて立ち回りを変え、何度か挑戦するうちに勝てるでしょう。
失敗はそれと同じで、経験した瞬間に「経験値を稼いだ」と同じ意味を持ちます。ゲームのように明確なステータスは目に見えませんが、現実でも同じように成長し、何に活きたかは自分次第で選択できます。
例えば、能力不足が招いたものならその能力を補い、経験不足なら失敗自体が糧になります。切り替えて立ち直るまでの時間を短くすれば、メンタルというステータスを向上させたも同然。経験値を積まなければ人は豊かにはなれないのです。だからこそ、失敗なんてメタル系のスライムを倒したくらいに考えておけばいいのです。
過去最低を更新したと考える
「あのときよりはマシ」と思えることが、立ち直るわかりやすい方法だったりします。今が過去最低だと思えば、これ以下はないと考えて逆に前向きにもなるでしょう。後は浮上するしかないからです。失うものがないときほど、人間は不思議なほど強くなります。
落ち込むほどの失敗をしたら、「過去最低を更新した」と考えてみてください。そこまでではなかったのであれば、「過去最低ではないだけ全然マシ」と考えればいいです。極端に考える必要はなく、単純に過去と比較をするだけです。
過去最低の失敗を経験することは、自分のキャパシティを広げてくれます。失敗が大きければ大きいほど、次の自分は強くなります。
お金に転換する
メンタルが弱い人でも、失敗を前向きに受け入れられる最強の方法が「お金に転換する」ことです。つまり、失敗という経験を使ってお金を稼ぐということです。失敗は「できなかったこと」を「できるようになった」に変えるきっかけであるため、できることが増えれば、お金を稼ぐ手段も増えることになります。
失敗が反骨精神を燃やし、本業でさらなる努力をすれば給料が増えるほどの成績を残せるかもしれない。失敗から気付いた、学んだことを活かして、本業以外で才能を開花させられるかもしれない。
「お金に変えられる」と思えば、多くの人は失敗をただ悪い経験だと思わなくなるでしょう。苦労の末に懐が豊かになって損をする人はいません。何なら、他の小さなことは気にかからなくなるでしょう。失敗して「よかった」ことを作れるかどうかは自分の考え方次第なのです。
他人から言われる「失敗してもいい」は嘘
ただし、他人から言われる「失敗してもいい」は嘘だと考えてください。もちろん悪意や他意はなく、純粋に「失敗してもいいんだよ」や「失敗してもいいからやってみて」と言ってくれるケースも多いでしょう。しかし、人が人に何かを伝えるとき、自分の都合は少なからず介入するものです。
例えば、仕事で「失敗してもいい」と言われたら「失敗してもいいけど、次につながる何を残して」という意味になります。言葉のとおりに捉えて、本当に何も考えず失敗したら怒られるだけでしょう。家族や友人から「失敗してもいい」と言われたら、とにかく今を元気に生きてほしいと願うのであって、失敗そのものを良いこととは思っていないはず。
「失敗してもいい」は自分の中で正当化するものであって、他人に言われて安心する材料ではないのです。悪い意味で真に受けてしまうと、失敗から何も学べない人間になっていってしまいます。
どんなことにも『よかった』は存在する
何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会でもあり、自分の価値や目標について再評価する絶好のタイミングともいえます。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。
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