失敗した時にメンタルをすぐ回復する方法|落ち込んでどうしようもない時に試すべき秘策

仕事で失敗した。人間関係で失敗した。長い人生の中で「やらかした!」という失敗は、人間だれしもが経験するものです。それも一度や二度ではありません。場数が増えれば、それだけ数え切れないほどの失敗を経験するでしょう。

このような大局観でみれば、たった一度の失敗を恐れる必要はありません。「これも経験だ」と自分に言い聞かし、前向きに考えようと切り替えるのが得策だと思えるはずです。

しかし、失敗した直後の頭では、理屈はわかっていても気持ちが追いつかないためにメンタルが落ち込んでしまうもの。今回は、それでも失敗した時にメンタルをすぐ回復する方法をお伝えします。

失敗するとなぜメンタルが落ち込むのか?

そもそも失敗するとなぜメンタルが落ち込むのか。そこから考えてみましょう。「失敗したから落ち込んだ」と端的に結びつけてしまうと、事象に対して自分の頭で考えて対策することは難しいでしょう。

失敗したから落ち込んだのではありません。失敗することで、以下の要因を引き起こしたことがメンタルを弱らせている原因なのです。

  • 怒られたことによる感情への反応
  • 信頼を失ってしまった失望感
  • 自信を無くしてしまった喪失感
  • 次も同じ失敗をしたらと考える恐怖

言葉にするとウっと来るような、すごくネガティブだけどリアルな感情が湧いてくると思います。失敗はそれ自体が悪いのではなく、失敗に対する様々な心の反応と捉え方によって、マイナスな感情は1にも100にもなるのです。

まず真っ先に沸き上がるのは、失敗を怒られたことによる感情への反応でしょう。誰だって怒られたら嫌な気分になります。怒られて「嬉しい!」と思える人は変わり者です。その感情をそのまま出したら相手の怒りに余計火をつけてしまいます。逆に考えれば、怒られて落ち込むのはその場では当然の反応とも言えます。

一人になった時、夜眠る前、色んな場面で怒られた時の表情や声、言葉などを思い出しては辛い気持ちがよみがえります。語気が強い言葉や、一方的に辛辣な言葉を言われるほど中々それらは忘れられないものです。

叱責してきた相手への恐怖心は簡単には取り除くことができません。必ず時間が解決してくれますが、1日や2日で忘れることは難しいでしょう。

失敗したことで上司や先輩、友人や家族から信頼を失ってしまったと感じて、失望感に苛まれる人も多いと思います。自分が至らなかったばっかりに、誰かに迷惑をかけてしまったという自己嫌悪がメンタルを落ち込ませてしまいます。

これは真面目な人や、責任感が強い人に特に起こりやすいネガティブ感情です。普段は自分が責任感の強い方だと認識していなくても、失敗して落ち込んでいる原因が上記であれば「自分は責任感が強い人間だったんだ」と改めて気付くこともあるでしょう。

信頼を得ることは難しいが、失うのは一瞬。そんな言葉も一般的に聞きますが、それはおおむね事実です。がっかりした他人の表情が脳裏にこびりつき、思い出すだけで吐きそうになる・・・そんな失望感がメンタルを追い込んでいきます。

上記は自分の外に向けたベクトルの話でしたが、反対に、自分自身に対してベクトルを向けたケースもあります。それが自身を無くしてしまったことによる喪失感です。

失敗によって自信を失ってしまい、「自分なんかにできることはないんだ・・・」と落ち込みメンタルが崩れていきます。自信を無くしてしまったことで、人からの信頼を取り戻せる自信もまた無くなっていく負のスパイラルに陥るとたちが悪いです。

他人が自分に期待してくれなくなったと落ち込むだけならまだしも、自分が自分に期待しなくなることは、もっとも最悪のケースと言えるかもしれません。そうなってしまうと、あなたに光を当てる存在はもはやどこにもいなくなってしまうからです。

目の前の失敗には対処できたとしても、次の失敗を恐れてふさぎ込んでしまう人も少なくないでしょう。はっきりとした再発防止策がなければ、同じような場面が来たらまた同じ失敗を繰り返してしまいます。

「次はこうすれば大丈夫」と行動面での対処がわかっていたとしても、「次も同じ失敗をしたら終わり」という感情面でのマイナス思考がまとわりつき、気持ちを切り替えられずに恐怖心を抱えて込んで落ち込むのです。

「失敗は誰にでもある」と思いつつも、失敗を繰り返すかもしれない未来へのネガティブな感情は、まだ起きていないことに対する分やっかいなものです。

失敗した時にメンタルをすぐ回復する方法

このように失敗そのものが悪なのではなく、失敗にどう反応したかが重要です。反応は、人それぞれが自ら引き起こすもの。言い換えれば、失敗に対するもっとも前向きな反応を自分で選べばメンタルが落ち込みにくくなります。

「そうは言っても」と感じるかも知れませんが、メンタルの不調は知識の問題でもあるため、反応の仕方を知っているか知らないかで、強いメンタルを持てるかどうかも大きく変わります。

人間は考え方が変われば行動が変わります。だまされたと思って、まずは次のいずれかを試してみてください。

  • 後悔ではなく反省する
  • 今できることだけに意識を向ける
  • 忘れる努力をする
  • 時間の過ごし方を変える
  • 失敗から何かを学ぶ
  • さっさと割り切って開き直る

まずはやってみて、何かしら行動できればモチベーションが作られます。そうして習慣化できれば、失敗に対して正しい反応を選べるようになっていきます。

後悔とは、起こってしまったことを後から悔やむこと。反省は、行動やあり方を振り返ることです。後悔はいっときの感情を整理するために必要ですが、持ち続けてはいけません。恥ずかしい、苦しい気持ちを後悔で爆発させたらすぐに忘れてください。

メンタルを回復させるために必要なのは後悔ではなく反省です。反省は人間が成長するために行うものであり、成長のための糧にできれば失敗は必要な経験に変わります。失敗せずに成長できる人間など存在しません。つまり、失敗を反省し、反省から自己研鑽することが健全な考え方なのです。

後悔が過去に向けたものだとすれば、反省は未来に向けたものです。あなたの人生はどうやっても未来にしか向かいません。だからこそ「過去なんか糧にして、未来を明るくしてやる!」くらいの気持ちでいましょう。

どうやっても過去は変えられないのだから、未来に向けて今できることをやるしかありません。わかっていても切り替えられないのであれば、それはまだ後悔の念に縛られているからです。前述のとおり、後悔は何も生まないことをまずは理解しましょう。

誰かを怒らせた、悲しませたのであれば謝る。勝負に負けたのであれば練習する。試験に落ちたのなら勉強する。結局、失敗して落ち込んでいたところで、今やるべきことはシンプルなのです。やるべきことはハッキリしているのにできない。それは単に時間を無駄に過ごしていることになるでしょう。

時間は有限です。失敗を克服するなら遅いよりも早い方が良い。今できることだけに意識を向けて、余計なことは考えずに猪突猛進。当たって砕けろ精神になったときが、一番強い状態だったりもします。

上記と絡みますが、時間は有限である以上、失敗してメンタルが落ち込み何もしない時間が長いほど悪影響は増大します。落ち込むときは、とことん落ち込んでいたい。そんな気持ちもわかりますが、何もしない時間が増えれば増えるほど、現実は何も変わらないことは心のどこかで感じていると思います。

落ち込んでいる時間をどう過ごすかは、メンタルを回復するうえでとても重要です。ただネガティブな感情で過ごす時間は何も生みません。「それでも頑張ろう」と一秒でも早く切り替えれば、同じ一週間でも数日を前向きに過ごせばその分だけ健全なマインドで生きられます。

「今の時間は何のために過ごしているのか」を自らに問いかける癖を付けましょう。そうすれば、漠然とした感情や思考によって無意味な時間を過ごさない習慣が身に付きます。

失敗は、それ自体が悪なのではないと何度もお伝えしましたが、成功も失敗もただの経験に過ぎません。もっと正確にいえば、失敗は成功するまので途中経過に過ぎず、自分自身で諦めない限りは失敗なんて存在しないようなものなのです。

「諦めたら試合終了」という名言もあるように、まだ挑戦は続くのに、自分で失敗を決めてしまうことにメリットはありません。例えその試合で負けてしまったとしても、次の試合、また次の試合と人生におけるプロセスは続いていきます。

大切なのは、失敗から何を学ぶかです。失敗という途中経過は、あなたに何を与える・伝える経験なのだから、そこから何も学ばないのは損でしかありません。「なら次はこうすればいい」や「今回のことで○○に気付けた」など、何でも構いません。その経験が教えてくれた、自分の人生をより良くするためのヒントに目を向けてください。

ここまでは失敗に対してどう向き合うか?を中心にお伝えしてきましたが、失敗そのものを忘れる努力も実はすごく重要です。嫌な記憶は、ネガティブな感情を呼び起こし調子を崩す原因にもなります。そして、嫌な記憶が明確なうちは何度も思い出してしまい、いつまでも色濃く残ってしまいます。

繰り返し思い出す記憶は、その期間が長いほど長期記憶に残りやすいため、忘れたいのに忘れられない悩ましいトラウマになってしまいます。

意外と多くの悩める人が疎かにしがちなのが、忘れるための努力です。記憶は時間と共に忘れていくものですが、思い出しそうになったら強制的に意識しないくらいの徹底が必要です。失敗を糧にする一方で、嫌な感情や記憶をさっさと忘れる努力を怠らないようにしましょう。

どんなことにも『よかった』は存在する

何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会でもあり、自分の価値や目標について再評価する絶好のタイミングともいえます。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。

仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。

  • もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
  • 乗り越えたことで耐性ができた
  • 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
  • 仕事への価値観や人生について考えることができた

考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。

陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。

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