ルート営業に向いている人の特徴・性格|仕事内容ややりがいから考える本当の適正とは?

ルート営業とは、既存の顧客をまわりアップセルやクロスセルを提案していく職種です。対になる職種として「新規営業」がありますが、比較すると「ルート営業の方がなんとなく楽そう」と想像する人が多いのではないでしょうか。

新規営業と同じく、ルート営業にも大変な面はあるため、一概にどちらが「辛い」「楽」とは言い切れないものです。そして、最終的に大切になるのは「その仕事に向いているかどうか」であり、ルート営業が得意で、新規営業が苦手といったケースも珍しくありません。

果たして、ルート営業に向いている人の特徴や性格はどういったもなのか。ルート営業で大事なことと合わせて解説します。

ルート営業の仕事内容

ルート営業とは、すでに取引のある顧客に対して、定期的に訪問して商品やサービスの提案や販売を行う営業活動です。具体的な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 顧客の現状やニーズをヒアリングする
  • 顧客の課題を解決するための提案を行う
  • 新商品やサービスの紹介を行う
  • 契約更新や追加受注を獲得する
  • アフターフォローを行う

ルート営業は、新規開拓を行う営業と異なり、既存顧客との信頼関係を維持しながら、継続的な売上拡大を目指す仕事です。そのため、顧客のニーズをしっかりと把握し、それに合った提案を行うことが重要です。

また、ルート営業は1日で複数の顧客を訪問するケースが多いため、効率的に営業活動を行うことも求められます。

ルート営業に向いている人の特徴・性格

ルート営業に向いている人の特徴・性格は以下の7つです。

  • 話を聞くのが上手い
  • おせっかいをやける
  • 人からの評価を気にしやすい
  • ルーティンワークが得意
  • 先回りして行動できる
  • 責任感が強い
  • 人間関係を大切にできる

前述のとおり、ルート営業は1日で複数の顧客を訪問するため、体力に加えてタフな精神力も必要です。

さらに新規営業とは異なり、既にサービスを利用している顧客とコミュニケーションをとるため、要望や課題などをヒアリングするためにも人間関係の構築がとても大切になります。

話を聞くのが上手い

日頃から人の話を聞くのが上手い人は、ルート営業に向いています。ルート営業は、サービスを利用している中で発生する要望や課題をくみ取り、それに合わせて解決策の提案を行わなければなりません。そのため、真摯に顧客の話に耳を傾け、顧客の立場に立って考えることができるコミュニケーション能力が求められます。

話を聞くのが上手い人は、顧客の話にうわべではなく本当に興味を持って傾聴し、相手の気持ちや考えを理解することができます。傾聴とは、相手の立場に立ち気持ちに共感するだけではなく、先入観を取っ払ってニュートラルに話を聞くことでもあります。

ルート営業は割り当てられた顧客を担当するため、ときには、受注の背景などが絡み難しいフォローが求められるシーンもあるでしょう。そんなときでも、顧客の話に集中して共に課題解決に向かえるのは話を正しく聞ける人間なのです。

おせっかいをやける

おせっかいをやける人は、顧客の悩みや困りごとを察知し、積極的にサポートできる傾向があるためルート営業に向いています。

ルート営業で成果を出すポイントの一つに「御用聞きにならない」があります。ルート営業では、既存の顧客がすべて本音で語ってくれるとは限らないため、「問題ありません」をそのまま受け取り帰ってしまうと、本当のニーズに気付けないままになってしまいます。

おせっかいをやける人は、顧客に対して「もっとこうしたらいいのに」や「本当に何も要望はないのか」と、とても良い意味で『余計なお世話』をかけることができます。ときには、そうしたくいぎみなヒアリングで引き出せる要望もあるため、ただ御用聞きになってしまうよりも、結果的に顧客満足度が高いルート営業を実現しやすいです。

また、コミュニケーションが活発になりやすいこtで、顧客はおせっかいをやってくれる相手に対して親近感や好感を抱きやすくなります。

人からの評価を気にしやすい

人からの評価を気にしやすい人は、ルート営業に向いている可能性があります。ただし、「人からの評価を気にしやすいから、常に期待を超えたい」と考える場合に限ります。評価によって浮き沈みが激しいタイプの人には向かないかもしれません。

人からの評価を気にしやすい人は、顧客の反応や上司からの評価に左右されやすい傾向があります。そのため、顧客の反応がすぐに返ってこなかったり、顧客や上司からの評価が厳しかったりするとモチベーションが下がりやすいでしょう。重要なのはその後です。

人からの評価に対して、自暴自棄やただ下がったモチベーションに引っ張られてしまう人は難しいですが、評価を気にするからこそ「顧客の喜ぶ顔を見たい」という気持ちが強くなり、「信頼を勝ち取ってやろう」と反発できるタイプの人であればそれは強みになります。結果的に、前よりも顧客のニーズをより深く理解しようとするでしょう。

新規営業は断られれば、それ以降はコミュニケーションをとる機会がほとんどありません。しかし、ルート営業は既存顧客である限り、上手くいってもいかなくてもその後も関係は続きます。そのため、顧客からの評価に向き合い行動できる人は、結果として高い評価を目指し続ける視座が備わっておりルート営業に向いているのです。

ルーティンワークが得意

ルート営業は、既存顧客を定期的に訪問し、商品やサービスの提案や販売を行う仕事です。そのため、同じルーティンワークを繰り返すことが多いです。

ルーティンワークが得意な人は、同じことを繰り返すことにストレスを感じにくく、効率的に業務を遂行することができます。また、細かい部分にも気が配れるため、顧客のニーズを正確に把握することにもつながります。

ただし、ルーティンワークが得意すぎると、変化に対応することに苦手意識を持つ可能性があります。ルート営業は、顧客のニーズや市場の変化に対応しながら、営業活動を行うことが重要です。そのため、ルーティンワークが得意な人は、変化にも柔軟に対応できる力を身につけることが大切です。

同じことの繰り返しのように感じるルート営業の中でも、自ら顧客体験を高められるような提案を模索する姿勢が大切です。

先回りして行動できる

ルート営業は、既存顧客との信頼関係を築き、継続的な売上拡大を目指す仕事です。そのため、顧客のニーズを先回りして察知し、それに合った提案を行うことが重要です。課題が発生する前に、その課題の芽をつぶす提案を先んじて行える営業マンは顧客からの信頼を勝ち取りやすく、成果にもつながりやすいです。

顧客のニーズは一定ではなく、ニーズの変化に伴って満足度も変わるでしょう。だからこそ、市場の変化に対応しながら、営業活動を行うことが重要です。市場が変化して分が悪くなってから対応するのではなく、できるだけそうなる前に予見して、顧客が気付けない未来に営業マンが先回りして提案するのです。

ただし、先回りして行動することを意識しすぎると、顧客のニーズを誤解してしまう可能性もあります。そのため、先回りすることに注視するのではなく、顧客を取り巻く環境が今後どうなるのか?を念頭に置いて営業活動する意識が大切です。

責任感が強い

良くも悪くも責任感が強い人は、ルート営業に向いている可能性が高いです。なぜなら、ルート営業は自ら顧客を選ぶことができないためです。新規営業であれば、自分が営業した相手のみが顧客になり担当するため、ある程度顧客を選べる状態ですが、ルート営業はそうはいきません。

自分の意思とは関係なく、割り当てられた顧客を担当するため、ときには難しい顧客を担当するケースもあります。そうなると、「自分のお客さんではないのに」や「受注の背景のせいで大変」など、責任転嫁してしまいたい場面も少なくないでしょう。

しかし、ルート営業で担当する顧客は自分の顧客であるため、それでも「自分の顧客であり、担当は自分」と責任感を以って対応しなければなりません。日頃から責任感が強い人にとっては当たり前の心構えかもしれませんが、それが難しい人もいるのが事実なのです。

人間関係を大切にできる

自ら「人間関係を大切にしていない」と言える人は多くない思いますが、人間関係を大切することを意識している人はルート営業に向いていることは間違いありません。

ルート営業において人間関係は非常に大切です。ルート営業は、既存の顧客との関係を維持・拡大していく営業スタイルです。そのため、顧客との信頼関係を築くことが成果を上げる上で欠かせません。

さらにルート営業では、顧客だけでなく職場内の人間関係も大切です。チームワークを大切にすることで、顧客への対応や提案の質を向上させることができます。

このように、ルート営業において人間関係は成果を上げる上で欠かせない要素です。人間関係を築くための努力を惜しまなければ、より高い成果を上げることができるでしょう。

ルート営業で大事なこと

向き不向きもさることながら、仮に今は向いていなかったとしても、ルート営業で大事なことを守る意識さえあれば成果を出すことは誰にでも可能です。具体的に、ルート営業で大事なことは以下の3つです。

  • 御用聞きにならない
  • 顧客ではなく顧客の課題に向き合う
  • 自らスキルアップのために行動する

前述の「ルート営業に向いている特徴・性格」に当てはまる人は、これらを自然に意識できているケースが多いです。何のために、誰のためにルート営業をやっているのか?を明確に答えられる状態が理想です。

御用聞きにならない

御用聞きとは、顧客から言われたことをただ人から人に伝達するだけの人です。ルート営業が御用聞きになってはいけない一番の理由は、当事者意識が薄れてしまい最終的には顧客の期待にも沿えなくなっていくことです。「この人は御用聞きだな」と思われたら、顧客からは期待されなくなり、困りごとがあっても本音で相談してくれる機会は減るでしょう。

御用聞きにならないためのポイントは、繰り返しですが当事者意識を絶対に忘れないことです。その顧客の担当は自分であり、自分の行動が顧客の未来を決めるくらいのスタンスでいないと、とくに慣れた顧客に対しては「楽に対応したい」気持ちがあからさまになっていきます。

顧客の本音を聞くのが恐いこともあるでしょう。自ら聞かなければクレームを受けることはなかったと後悔する場面もあるでしょう。しかし、ルート営業はそれらを引き出すことが期待されている役割であり、本当の想いを以ってコミュニケーションすることが双方のためにも必要なのです。

顧客ではなく顧客の課題に向き合う

ルート営業に限った話ではありませんが、とくにルート営業では顧客ではなく『顧客の課題』に向き合わなければいけません。顧客に向き合うと、機嫌を伺ったり御用聞きに落ち着いてしまったり、今目の前で問題が発生しなければいいという考えに陥りやすいためです。

本当に向き合うべきは、顧客が抱える課題の解決です。営業マンは顧客にコミットするのではなく、顧客の課題を考えるすることにコミットするのが正しいです。向き合うべき相手を間違ってはいけません。

顧客ではなく、その先の課題や未来に向き合うことで当事者意識が強まり、顧客の機嫌を伺って、必要と思われる提案を控えることもなくなります。

自らスキルアップのために行動する

業界や会社によって異なるものの、ルート営業はルーティンワークが多くなりがちで、新しい環境や業務にチャレンジする機会が比較的少ないとされています。そのため、今後キャリアアップしていくためには、機会を待たずに自らスキルアップのために行動することが求められます。

新しい情報に触れてみたり、日々の業務の中で創意工夫を図ってみたり、とことん担当する顧客の成果に向き合ってみたり、ルート営業をする中でもできることは沢山あります。

「常に意識を高く持て」ということではないのですが、ルーティンワークに慣れてしまってからでは遅いことも多く、ルート営業に就くことで自分はどうしたいのか、いつまでに何を実現したいのかは、早くから設定できた方が確実に未来の自分のためになります。

ルート営業は楽?きつい?

ここまでルート営業に向いている人の特徴や、ルート営業で大事なことをお伝えしてきましたが、ルート営業は楽なのかつらいのかは人によってさまざまであり一概に答えはありません。

ルート営業も新規営業と同じく、顧客とコミュニケーションしている以上は大変な場面は多いですし、新規でテレアポや飛び込み営業をしなくていい分、担当する顧客を選べないことで新規にはないストレスを抱えることだってあります。

ただ少なくとも、新規営業をやってきた人間がルート営業に転換すると成果を出しやすいのはあります。提案から契約後のフォローアップまで、一連の流れを経験していることで業務のオペレーションもこなしやすく、なにより顧客の状態を理解することができるでしょう。

一般的に「ルート営業の方が新規営業よりも楽」と思われているのは、それだけ断られることに対するストレス耐性であったり、数字を追いかける仕事に向いている人が少ないからでしょう。相対的に見てルート営業の方が楽に見えるだけであり、決して、仕事内容を比較してルート営業の方が楽であるとも限らないのです。

どちらも営業であることに変わりはありません。数字で成果を出さなければならないのは同じです。どちらが向いているかは、その人の性格やこだわり、特徴によって変わってくるでしょう。

『営業手帳』でルート営業をもっとやりやすくしよう

1日に何社もの顧客を周るルート営業は、目標から逆算して日々の行動を管理していかなければいけません。習慣的に細かい目標設定と自己管理ができる人であれば難しいことではないかもしれませんが、自身の行動管理を徹底するのが得意ではない人は、何か具体的な方法を考えておいた方がよいでしょう。

おすすめは『営業手帳』を活用することです。営業手帳とは、日々の営業活動の内容を記録する機能を持った手帳です。スケジューラーではなく、敢えて手書きの文字で活動記録を残すことで「やらなければならない」と意識しやすくなり、書いたことを達成し続けるマインドセットを作りやすくなります。

営業が途中でつらくなったときも、手帳に書いたことが良い意味で「目標を見て見ぬふり」をさせてくれません。「自分で書いたことだから」と思わせてくれるのは、アプリやデジタルではなかなか感じにくい感覚でしょう。 目標に対する意識が変われば、結果も変わります。達成できないと思っていては行動が変わりません。とはいえ、人間は弱いから一人ではブレてしまう。そんなとき、手帳が相方となって一緒に目標に向かってくれます。

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