『新規営業』と聞いて、皆さんはどんな印象を持つでしょうか。
「断られ続ける大変な仕事」
「ノルマに追われ続ける辛い仕事」
のように、営業をやったことがない人も含めてポジティブな印象を持つ人は決して多くないでしょう。実際、営業職は大変な仕事です。世の中に楽な仕事はないかもしれませんが、営業はどんな業界でも存在する職種のため、とくに大変なイメージを持ちやすい仕事ででしょう。
しかし、何事にも向き不向きがあるように、大変な仕事の代名詞のような新規営業に向いている人も存在します。
自分では気が付いていないけれど、実は新規営業で成果を出しやすい特徴を持っているかもしれません。
新規営業の仕事内容
まず新規営業がどんな仕事なのかをおさらいします。新規営業とはその名の通り、新規顧客を増やすために営業活動を行うことです。どんなビジネスも顧客がいなければ成立しません。そして、新規の顧客が増えなければ売上も伸びないため、業績を上げるためには必須の職種となります。
電話やメール、飛び込み営業などでアポイントをとり、顧客にメリットがある提案をし、合意を取れれば契約になります。ただし、メリットのある提案だったとしてもタイミングが合わなかったり、営業自体を断っている企業も少なくないため、そもそもアポイントをとれない、話を聞いてもらえても契約に至らないケースがほとんどです。
そのため、断られることの方が圧倒的に多いのが新規営業の辛いところであり、それを乗り越えて、顧客と自社の双方にメリットをもたらすことのできる人間でなければ活躍できません。
新規営業に向いている人の特徴
では、新規営業に向いている人はどんな特徴を持ち、どんな性格の人が多いのでしょうか。細かなスキルや経験なども関係しますが、性格や特徴の面でいえば大きくは以下8つに該当している人が新規営業に向いています。
- コミュニケーション能力が高い
- 積極性がある
- 根気と忍耐力がある
- 切り替えが早い
- サービスや商品に愛着を持てる
- 自分よりも他者を優先できる
- 目標を設定して行動できる人
単に「ガッツがあれば良い」ということはなく、むしろ石橋を叩いて渡る人や、自分よりも他者を優先して行動できる利他的な人の方が新規営業には向いています。
コミュニケーション能力が高い
「営業といえばコミュニケーション」をイメージする人も多いと思いますが、やはりコミュニケーション能力の高さは新規営業においてとても重要です。営業は常に顧客と接する仕事であり、顧客を中心に回っていると言っても過言ではありません。
「コミュニケーション能力が高い」とは、具体的に「話す力」や「聞く力」が優れており、さらに「プレゼン力」など自らの考えや想いを伝える能力が高いことを意味します。どれだけ素晴らしい提案や分析も、顧客にそれが伝わらなければ結局は意味がないものになってしまい、結果も伴いません。
顧客の話や悩み・課題に真摯に耳を傾け、その課題を解決する方法を顧客にとってわかりやすく話す。それができる人は、普段からそういった行動をとれる人です。「仕事だからコミュニケーションを頑張る」でもよいのですが、コミュニケーションに対して抵抗がない人であれば、より新規営業で成果を出しやすくなります。
積極性がある
「断られるかもしれないから、提案をしないでおこう」と消極的に考えてしまう人は営業機会を逃してしまいます。顧客が喜ぶかどうか、納得してもらえるかどうかは提案してみないと本当のところはわかりません。そのため、まずは積極的にアクションを起こせる人でないと新規営業は務まりません。
話してみたら、想定していなかった結果に繋がることもあります。新規営業は自ら行動を起こさなければ未来の顧客に出会うこともありません。営業は、出会った人の数が大切です。例えば契約率が1%だった場合、100人に会ってはじめて1件の契約が獲得できます。
沢山の人に出会うことで必然的に契約数は増えていくため、とにかく積極的に行動してみることがとても大切なのです。「考えるよりも、まずはやってみる」ことが得意な人は新規営業に向いているでしょう。
根気と忍耐力がある
冒頭でも書きましたが、「断られるのも仕事のうち」と言われるのが営業という仕事です。出会う人すべてのニーズに合致することはないため、どんなに優秀な営業マンでも契約率100%というのは難しいものです。
大切なのは、断られた後にどうするか?です。普通は落ち込んだり自信を無くしたり、断られることが恐くなって営業活動が停滞してしまうもの。しかし、それではドンドン泥沼にはまっていくだけであり、営業成績は下がっていく一方です。
新規営業では、断られてもめげずに切り替えて別の提案をしたり粘ったり、一回断られたくらいでは落ち込まない根気と忍耐力が求められます。一度決めたことは意地でもやりきる習慣がある人は、営業に限らず成果を出せる人です。
切り替えが早い
粘っても提案しても工夫してもダメなものダメ。そんなときはすぐに切り替えて、次の顧客に向かうべきです。タイミングが合わなかったり、予算が確保できなかったり、契約にいたらない理由は沢山あります。もちろん、提案の余地があれば簡単に折れてはいけないため、根気強くメリットを伝えることも大切です。
しかし、ときにはさっさと切り替えて、もっとニーズのある顧客開拓を行った方が効率的なケースも多く、さらに「断られて落ち込む」時間も短い方がよいでしょう。営業活動は時間との勝負でもあります。断られても気持ちを切り替えて、営業活動に多くの時間を避けるようになれば、機会が増えて最終的には契約数の増加に繋がるものです。
サービスや商品に愛着を持てる
営業は売り込むことが仕事ではありません。顧客の課題を解決し、未来を作っていく仕事です。そのための手段として自社のサービスや商品があり、決して、契約をすることがゴールではありません。
一般通念として「営業は売り込み」と思われがちですが、実際は全くそうではなく、提案によって、顧客自身が気付かなかったニーズを喚起させてあげるのが営業なのです。
その本質を見失わずに新規営業を行うには、自社のサービスや商品に愛着を持つ必要があります。自分が好きではないものや、興味がないものの価値を見出すことは難しく、営業マン自身が良いと思っていないものを顧客に説くこともまた不自然でしょう。その結果として、売り込むしかない思考になってしまうのです。
自分が良いと思ったもので、顧客の未来が明るくなる。それを伝えたい一心で行う営業は、顧客の心にも響きやすいです。
自分よりも他者を優先できる
営業で成績を上げるのは、もちろん昇進したり給料をあげたりと自分自身のために行うものですが、それは「幸せにした顧客の数」と比例して伸びていくのが正しい営業活動です。
自分の昇進やノルマ達成のために、メリットのない提案をしたり虚偽を行ったり、悪く言えば顧客をくいものにするような考え方は絶対にあってはいけません。もしそれで一時的に成果が出たとしても、それは短期的なものでしかなく、自分自身の未来を正しい方向には導きません。
優先順位として、他者を幸せにした結果として自分自身が幸せになれる。そんな利他的な考え方を持っている人は、最初は成果が上がらなくても、将来的には優れた営業マンとして多くの顧客に囲まれるでしょう。
目標を設定して行動できる人
営業には常にノルマがあります。達成しなければならない売上や契約数の目標があり、1年ごと1ヶ月ごとなど、いつまでにどんな成果を出さなければいけないのかが課されています。
ノルマは言い換えれば「営業マンが達成しなければいけない目標」であり、目標を達成するためには、目標から逆算して日々の行動計画を立てなければいけません。つまり、行き当たりばったりで行動してはダメで、月末最終日になって見込みが足りずに慌て始めても遅いのです。夏休みの宿題を8月31日にやる人よりも、8月1日から少しずつペースを決めて進める人の方が新規営業には向いています。
そして、目標には月次と週次で追うなどの効果的な計画の立て方などがありますが、普段から手帳を使ってスケジュールを細かく管理している人などは実は新規営業向きだったりします。なぜなら、トップセールスの中には敢えて紙のスケジュール帳を使って行動管理している人も珍しくないためです。
関連記事:トップ営業マンが手帳を使う理由と使い方・書き方|仕事が出来る人のスケジュール管理方法とは
新規営業のやりがい
ここまで新規営業には向いている人の特徴を紹介してきましたが、そもそも新規営業のやりがいはどんなところにあるのでしょうか。新規営業のやりがいを理解し、そこに自分にとっての価値を見いだせればより成果を出しやすくなるでしょう。
人によって考え方や感じ方は様々ですが、新規営業のやりがいを3つ挙げるとすれば以下になります。
- 出会った人の数だけ自分の未来が作れる
- 精神的なタフさが身に着く
- どんな仕事にも通じるスキルが身に着く
営業という仕事通じて得られるものは多く、営業以外の仕事をする際にも役立つことばかりです。そのため、キャリアを積むための登竜門として新規営業を経験したいという人も多いです。
出会った人の数だけ自分の未来が作れる
営業職のメリットは、仕事を通じて多くの人と出会えることです。人との縁が多いということは、それだけビジネスのチャンスやスキルアップの機会など、自分の未来のために活かせる道が増やせることでもあります。
具体的に将来のキャリアを描いていなくても、沢山の顧客やパートナー企業と知り合う中で色んな気付きや発見があることも珍しくありません。社会では出会った人の数だけ自分の未来を作ることができます。
精神的なタフさが身に着く
例え向いている人であったとしても、やはり営業という仕事は楽ではありません。誰しもが上手くいかない大変さを何度も味わい、精神的にもつらい出来事を沢山経験することでしょう。
とくに「いらない」「お断りします」というメッセージを人から直接言われるのはダメージを負いやすく、よかれと思って提案しても話を聞いてもらえないつらさは耐え難いものです。
そのため、営業を経験している人が、そうではない人に比べて精神的にタフであることは少なくありません。営業という仕事は、強いメンタルを身に着けるための経験を得られるのです。
どんな仕事にも通じるスキルが身に着く
営業は顧客以外にも、社内の経理や総務、制作など間接部門の人たちともコミュニケーションをとる機会が多いです。契約をした後は、制作物があれば制作に関わる人とコンセンサスをとり、契約や請求といったバックオフィス業務は経理や総務とも連携しなければなりません。
そのため、営業は色んな人とのハブとして機能しなければならず、同時にさまざまな業務を円滑に進める能力も必要になってきます。営業活動をする中で、関わる部門や人ごとに、適切な進め方やコミュニケーションを選択する能力も養われていくでしょう。
『営業手帳』で新規営業をもっとやりやすくしよう
新規営業は、目標から逆算して日々の行動を管理していかなければいけません。習慣的に細かい目標設定と自己管理ができる人であれば難しいことではないかもしれませんが、自身の行動管理を徹底するのが得意ではない人は、何か具体的な方法を考えておいた方がよいでしょう。
おすすめは『営業手帳』を活用することです。営業手帳とは、日々の営業活動の内容を記録する機能を持った手帳です。スケジューラーではなく、敢えて手書きの文字で活動記録を残すことで「やらなければならない」と意識しやすくなり、書いたことを達成し続けるマインドセットを作りやすくなります。
営業が途中でつらくなったときも、手帳に書いたことが良い意味で「目標を見て見ぬふり」をさせてくれません。「自分で書いたことだから」と思わせてくれるのは、アプリやデジタルではなかなか感じにくい感覚でしょう。
目標に対する意識が変われば、結果も変わります。達成できないと思っていては行動が変わりません。とはいえ、人間は弱いから一人ではブレてしまう。そんなとき、手帳が相方となって一緒に目標に向かってくれます。
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