自分の仕事に対する情熱が失せ、”やる気が出ない”と感じている人は、決して一人ではありません。一度は誰もが、この感覚に直面することがあります。業務が停滞し、職場での生産性が落ち、最悪の場合は自身の人生に疑問を投げかけるまでにいたることもあります。
これは単に「仕事のストレス」だけでなく、深層的な「やる気」の欠如によるもので、その解決策は一筋縄ではいきません。
本記事では、そのような「やる気が出ない」状態をどのように認識し、理解し、そして克服するかについて考察していきます。
仕事のやる気が出ない原因
仕事のやる気が出ない主な原因は以下の4つです。
- 「やる気」があるから「行動する」と思いこんでいる
- ネガティブな未来を想像してしまっている
- 過去の失敗ケースを想像してしまっている
- 特定の問題や状況に直面している
仕事のやる気が出ない原因は多岐にわたり、その原因は人それぞれの状況や体験に大きく依存します。まずは原因を理解し、適切な解決策を探ることで、やる気を取り戻す道筋が見えてくることがあります。また自分ひとりでは難しい場合もあるため、第三者の助けを求めることも有効な選択肢の一つです。
「やる気」があるから「行動する」と思いこんでいる
大前提として、実は「やる気」なんてものは存在しないことをご存知でしょうか?「やる気」があるから行動するのではなく、行動によって引き起こされるのが「やる気」です。
感情は事象から引き起こされるものであり、事象に対して感情が先に立つことはないということです。つまり、行動を起こす前に「やる気がない」と感じるそれは、もっと別の「不安」や「不満」といった、具体性や原因が存在するものなのです。
そのため、もしやる気は起きないから仕事をしたくない場合は、とりあえず簡単な業務でもやってみるのはおすすめです。返しやすいメールを返信するとか、スケジュールを更新するとか、何でも大丈夫です。その小さな一歩が、次の業務へのやる気を生んでくれます。
仕事をしたくない理由が人間関係や、泣いてしまう吐き気がするなど体調的な理由であれば休むべきです。ただ、モチベーションの問題なのであれば、「やる気」は行動からしか生まれないと割り切って取り掛かってしまうのも手です。
ネガティブな未来を想像してしまっている
仕事をしたくないのは何かしらの問題を抱えているからであり、その問題が解決しそうにないから行動を起こしたくない。そんな状況に陥っている人は、必要以上にネガティブな未来を想像してしまっているかもしれません。
上記のとおり、「やる気」は行動した結果であるため、行動を起こす前の感情は、自分が作った未来への見通しともいえます。つまり、ネガティブな未来を想像しているから行動を起こせないのであって、あえてポジティブな未来を想像することで小さな一歩が踏み出せて、次のエネルギーとなる「やる気」をチャージすることができます。
「上手くいかないかも知れない、けどやってみるかしない」と考えて、できることを精一杯やれば意外と未来は明かるものです。それよりも、まだ起きていない未来を悪いものと決めつけてしまい、やれば手に入ったはずの未来を放棄してすまうことをもっとも避けるべきでしょう。
過去の失敗ケースを想像してしまっている
人は過去の体験によって価値観が形成され、その価値観は年齢を重ねるほど変えづらくなっていきます。20代と30代では、失敗してきた経験の数も違うでしょうし、想像できる過去の失敗ケースが多ければ多いほど、なんだかやる気が出ないと感じやすいかもしれません。
しかし、失敗を多く経験しているということは、それだけ乗り越え方や対処方法を知っているということです。失敗したのではなく、そのパターンを経験したということであり、そのときはつらいかもしれませんが、「自分は乗り越えたことがある」とプラスの考えに転じるのが経験の上手い使い方です。
人間関係など特定の問題や状況に直面している
人間関係は、私たちの日常生活の中で大きな役割を果たしています。しかし、時には複雑で厳しい人間関係に疲れてしまうことがあります。
「人間関係に疲れた」と感じたとき、その感情はあなたに何か大切なメッセージを伝えています。それはあなた自身の内面に目を向け、自己理解を深める機会を示唆しているかもしれません。また、現状の人間関係や生活環境を見直し、改善の方向を探るきっかけにもなります。
人間関係など特定の問題や状況に直面していて、それがすぐには解決できそうにない場合、仕事以外のこと向かってみるのも有効です。例えば趣味の時間など、散歩するだけでもいいです。仕事の以外の「行動」から、仕事のやる気につながるきっかけを作るのです。
気分転換がまさにそれであり、仕事のやる気は、必ずしも仕事に立ち向かう中で作らなくてもいいのです。
仕事のやる気を出す方法
「やる気」は行動によって引き起こされます。とはいえ、「何かしらモチベーションを高める方法が知りたい!」という人もいるでしょう。
仕事のモチベーション・やる気を出す方法は人それぞれであるため、自分自身が何に動機付けられるのかを理解することが重要です。そのうえで、以下で紹介する方法を試していくことをおすすめします。
目標を設定する
目標がなければ動機は生まれません。まず、漠然としてても窯言わないので大きな目標を設定しましょう。これは長期的なビジョンであり、あなたが何を達成したいのか、どのような人になりたいのかを反映させます。この目標はあなたが本当に達成したいことを反映しているため、それに向けて働くことは自然とやる気を引き出します。
次に、この大きな目標を達成するための小さなステップを計画します。これらは具体的なタスクや短期目標で、達成可能で時間指定されたものであるべきです。これらの小さなステップを達成するたびに、進捗を感じ、やる気を引き出すことができます。
しかし、目標設定はただ目標を立てるだけではなく、目標達成に向けた進捗を評価し、必要に応じて調整しないといけません。定期的に自分の進捗を確認し、どこに課題があるのか、どのように改善するのかを評価しましょう。
成果を視覚化する
成果や成長を感じられないと、人はなかなかモチベーションを保てないでしょう。しかし、日々の成果や成長を見える形で推し量れている人は多くありません。成果を可視化することで、達成したことを具体的に見ることで、自分を自分で認めやすくさせます。。
上記でたてた目標に対して、具体的にどのようにして成果を図るのか決めましょう。ツールを使うこともあれば、日記に書き留めていくこともあるでしょう。自分がどの方法を最も理解しやすく、効果的に感じるかを大切にします。
次に、達成したい目標を分解し、具体的なタスクやマイルストーンにします。それぞれのタスクやマイルストーンが完了したら、それを視覚的に表示します。たとえば、チェックリストにチェックを入れたり、進行状況バーを更新したり、完了したタスクを色分けしたりします。
成果とするものは何でも構いません。どんな小さなこともで成果のひとつにすることが、継続しやすくするコツです。「大したことではない」と思うようなことでも、その一歩があるから次の行動があるのです。
報酬を明確にする・作る
仕事をする目的の多くは、収入を得るためでしょう。なかにはやりがいなどお金以外のプライオリティが高い人もいますが、どちらにしても仕事の報酬を明確にすることが大切です。
例えば、会社員であれば給料。毎月ある程度決まった給料が得られるからといって、仕事の内容が何でもよいというわけではありません。むしろ、仕事をした結果としての給料であるため、昇給や昇進のために日々の仕事をする意味があるでしょう。もし昇給や昇進に興味がないのであれば、仕事のモチベーションは別の観点から作る必要があります。
別の観点とは、お金以外の報酬です。将来的に自分が豊かになるために必要なもの、例えば人脈やスキル・ノウハウなど、今すぐお金になるわけではないが、長期的にみて価値をもたらしてくれるモノの存在を侮ってはいけません。
ついお金だけに目が向きがちですが、前向きに仕事に取り組める人の多くが、お金も含めて、それ以外の報酬も明確にしたり作っていくことに長けています。
健康な身体を作る
モチベーションは心の問題だと思われがちですが、身体の健康状態も多大きく関わります。栄養不足、睡眠不足、生活習慣の乱れなど、身体が不調であるほど心の不調を招きやすくなります。
そのため、慢性的に仕事のやる気が出ず、だからといって特に目立った理由は思いつかない場合は、日々の生活の中で身体が不調を訴えているからかもしれません。身体と心の健康は密接に関係しています。
睡眠時間を確保したり、食習慣を見直したり、運動する習慣を設けるなど「健康的な生活」を意識するだけでも仕事のモチベーションが維持しやすくなるケースもあります。
モチベーションが高い人を話す
仕事のやる気が出ないときに、モチベーションが高い人を話すのは気が引けるかと思いますが、引っ張り上げてれるという意味では手っ取り早くモチベーションを作る方法です。
行動を起こすきっかけが大切であるため、自分ひとりではなかなかそれが作れない、タイミングを見失ってしまったという場合に有効で、第三者の情熱に触れて、自分も熱くなることができれば一気に高いモチベーションを作りやすくなるでしょう。
そのためにも、普段から周囲にそういった人をたてておく、関係性を作っておくことが大切です。ネガティブな空気に囲まれていると、自然と自分もそこに寄っていってしまうものです。そうならないように、高いモチベーションに囲まれるような環境づくりを意識できるとよいですね。
仕事のやる気が出ないときは休んでも大丈夫?
仕事のやる気が出ないときは休んでも大丈夫です。まず「行かなければいけない」という義務感を取っ払ってしまいましょう。メンタルが落ち込んでいるときは、必要以上に考えすぎてしまったり、被害妄想を膨らませて事を大きく不安に感じてしまっていることが多いためです。
深呼吸をして心を落ち着けて、自分の心身の健康を第一にして、それから休むのか、仕事に行くのかを考えてみてください。
ただし、休めることが一番大切ですが、休むことで自己嫌悪に陥いるのは健全ではありません。もしどうしても休めない、休むことを自分で承認できない場合は、とりあえず仕事に行ってみてから考えるのも手です。
慢性的なものではなく、特定の業務に対してストレスを抱えている場合は、取り掛かってみてそれが解決すれば意外なほど心が軽くなるものです。解決の糸口が見えないから仕事に行きたくないケースも多々あります。そんなときほど、どうにでもなれ精神で、まずはやれることをやってみてほしいです。
仕事のやる気が出ない理由がわからないときは
仕事のやる気が出ないとき、何が理由かわからない人も多いと思います。理由がわからないから、どうすれば解決できるのかもわからない。そんな漠然とした自分を許容できずに、自己嫌悪に陥ってしまうというのが最悪のシナリオです。
けれど、理由がわからないものを無理に考えても出てくるものではありません。そのようなときほど、悩みの深度が深いものです。その分、一朝一夕で解決しようとしない方が良いでしょう。
もしモチベーションが湧かない理由がわからないときは、新しい価値観に触れてみてください。家族や友人ではなく、例えば自分のことを全く知らない誰かの情報発信などを何気なく見ると不思議な力が湧くときがあります。
YouTubeでも何でも良いです。一度、自分と誰かのコミュニケーションという状態から離れ、フラットなメンタルを作るために、同じように苦労してきた他人の体験談や語りをぼんやり見てみるのも有効です。『日刊ワダビジョン』は元世界No.2営業マンの和田裕美がお届けるするメルマガです。日常の色んな視点から新たな気付きを得られるものになっている&無料で購読できるので、皆さんの人生が前向きになるための小さな一歩になれたらと願っています。
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