「営業職のストレス原因とおすすめ解消方法|ノルマや人間関係で悩む本当の理由とは

「営業という仕事はストレスをためやすい」

日々、社内の人間やクライアントなどたくさんの人と関わる営業職は、他の職種と比べてストレスがたまりやすいもの。もちろん、営業とひとえにいっても職場環境は会社によってさまざまなため、程度の差はあるでしょう。

しかし、どんな会社の営業にも多くの場合「ノルマ」があるため、数字に追われる大きなストレスは共通することかと思います。

営業職にとってストレスの原因になりやすいもの、またそれぞれの解消方法を知っておくことで、上手くストレスと付き合っていくことができます。適度なストレスは、むしろ仕事のパフォーマンスをあげてくてるものです。

営業職の主なストレス原因と解消方法

営業職にとって、ストレスになりやすいものは主に以下の5つではないでしょうか。

【営業職の主なストレス原因】

  • ノルマに追われる
  • 職場の人間関係
  • お客様に断られる
  • 売り込みしたくないのに売り込む
  • やることが多い

営業は売上をつくらなければならない以上、目標となる数字を追わなければなりません。それだけでもストレスなのに、できなければ上司や会社から𠮟責をくらうなど、上手くいかないことが重なりしんどくなってしまう。

そんな状況を招かないためには、ストレスの原因ごとに「なぜそれがストレスに感じるのか?」を知ることが大切です。

①ノルマに追われる

営業職はノルマ(数字目標)を課されます。営業が仕事をとってこなければ始まらないため、会社の売上をつくる根幹の仕事であるといえます。言い換えれば、ノルマを達成できない営業マンが多い会社は業績が下がる一方ということです。

「ノルマ」という響きだけで、気持ち的にウっとくる人も多いかと思います。しかし、改めて考えるとそれはなぜなのでしょうか?

ノルマ自体は、前述のとおり会社が業績をあげるために必要なものであり、営業マンはそのための重要な役割を担っているわけです。本来、誰かにとって悪いことではないはずですが、営業マンのストレスのほとんどはこのノルマによるものでしょう。

ノルマがストレスに感じる原因、それは「達成できないもの」という先入観です。達成できなければ怒られる、給料が下がる、良いことがなにもない。未達成の先の悪い未来まで想像できてしまうから、ストレスに感じてしまう。

明らかに無理なノルマを課されるケースも多いことで、漠然と営業のノルマは「できなくて当たり前」と感じているのではないでしょうか。その心が、ノルマに対してストレスを感じる本当の原因です。

ノルマが原因のストレスの
解消法・対処法

ノルマ自体は善でも悪でもないのに、それを都合の悪いものと解釈する心を変えることが、ノルマを原因としたストレスの対処方法になります。気持ちの問題といってしまえばそれまでですが、捉え方が変われば行動が変わります。

例えば、「なぜノルマが課せられており、その数値目標の根拠は何なのか?」、また「ノルマを達成した先にある自分と会社の未来はどうなるのか?」を考えてみます。

その際、「できる」を前提として考えることが重要であり、「できなかったらどうしよう」で悩むのではなく、「どうすればノルマを達成できるのか?」について悩むことが前向きであり正しい思考です。

ノルマを味方につけましょう。どうしても無理なノルマが課された場合は、そのプロセスを見直す必要も出てきます。

②職場の人間関係

ノルマに起因する場合が多いのが、職場の人間関係によるストレスです。営業職に限った話ではありませんが、営業は「ノルマが未達成で怒られる」というわかりやすい構図は想像しやすいでしょう。

ストレスになる人間関係は、主に上司や先輩、ときに同僚や後輩にまで及びます。

対象原因として考えられるもの
上司ノルマが達成できないことで怒られる、注意される。自分のことをわかってもらえない、一方的に話されるから歩み寄ることも難しい。
先輩ノルマが達成できないことで怒られる、注意される。先輩自身も営業プレイヤーのため、比較されて自尊心を傷つけられる。
同僚成績が良い同僚と比較して、できない自分を攻めてしまう。
後輩自分よりも成績が良い後輩に対して、「経験年数は上なのに」と卑下してしまう。年齢差なども関係してコミュニケーションがとりづらくなりやすい。

それぞれ対象によって、原因として考えられるものは異なります。まずはそれを知ることです。「人間関係」と一括りにしてしまうと、正しく対処できなくなってしまいます。

また、上記の人間関係の延長には「会社に対する不満」もあるでしょう。会社は集合体のため、その体質や風土が合わないと感じる根本原因も周囲との人間関係にあります。

職場の人間関係が原因の
ストレスの解消法・対処法

人間関係で悩んだら、まずは人と比較するのをやめましょう。向上心に繋がるのであればOKですが、多くの場合、人と比べて落ち込むケースがほとんどでしょう。営業は数字で比較できてしまうため、誰が見ても差が明らかになってしまいます。

結果だけで比較するのは簡単なため、それ自体にあまり意味はありません。それよりも、その結果が生まれた過程を比べてみましょう。考え方や行動の違いなど、同じ人間なのになぜ差が出たのかを考えることです。

条件は同じであれば、好成績を残せる同僚にも理由があります。比べるのはどんな行動をとったか?であり、数字で自分と人を比較して一喜一憂する必要はありません。

また、上司や先輩との折り合いがつかない場合は、なぜ𠮟責されるのかを考えてみましょう。「ノルマが達成できないか怒られる」のは表面的な理由です。ノルマを達成できなくて困るのは誰でしょうか。そこには給料が左右される営業マン自身も含まれるはずです。

ノルマの未達成で営業マン自身が不幸になってしまう、だから上司や先輩が「それは良くない」と叱責する意味もあるでしょう。実際そうでなかったとしても、「できないままでは自分が困る」と考えた方が建設的です。

③お客様に断られる

「営業は断られるのが仕事」とよく言われますが、一回も断られたことがない営業マンなどいないでしょう。アポイントや提案が断られるのは日常茶飯事です。

それでも、面と向かって「いらない」と言われるのは気持ちが落ち込むものです。気にしないと構えていても、お客様の表情や雰囲気からネガティブな感情を受け取ってしまいがち。

人によって感じ方が異なる他の原因と違うのは、「お客様に断られる」ストレスはどんな営業マンでも一度は経験しているということです。「自分だけが・・・」と内向的になる必要はありません。

ニーズが合わなければ断られるのが当然です。それでもストレスに感じるのは、前項の「ノルマ」達成から遠のくためでしょう。

お客様に断られることが原因の
ストレスの解消法・対処法

「ニーズがなければ断られて当然」と考えることです。自分がお客様側に立ったとき、売る側の事情でなにかを購入するなことは頻繁にないはずです。金額が大きければ尚のこと。

お客様がモノを買うのは、ニーズがあって、遠かれ近かれ未来のために必要だと理解できたときです。そして、営業マンはニーズを創出し、お客様に未来を見せることが仕事。つまり、断られるのは営業マン自身の力不足なのです。

提案やサービスが良くても、コミュニケーション次第で断られる場合もあります。そのときは「なぜ話を聞いてもらえないのか?」を考えます。相手にも都合や時間、営業マンが感じ取れていない悩みがあるはずです。

アポイントも商談も提案も、相手の立場から考えることを基本として、どれだけ徹底して行動できるかが重要です。

④売り込みしたくないのに売り込む

「ノルマを達成するため」「売る商品が決まっているから」といった自分本位の目的でセールスをしても売れないどころか、売り込みしたくないのに売り込むことでストレスがたまります。

売り込みをしてしまっていると悩む営業マンは、もしかしたら、上記のような理由で自分本位のセールスをしていないでしょうか。

自社のサービスの価値や、お客様にとってのメリットに納得できていない状態では、それを売ろうとする自分にも納得いかないでしょうし、「今、自分はいったい何をしているんだろう・・・」と宙ぶらりんな状態になってしまいます。

「売り込み」自体は悪いことです。相手の都合を考えず、自己の利益だけのために何かを売ろうとするのはやってはいけないことです。自分がそれを受ける立場で考えたとき、良いことだと思えないのがわかりやすいイメージでしょう。

売り込みが原因のストレスの
解消法・対処法

されて嫌なことをすれば自分に腹が立つし、とてもストレスがたまります。しかも、その経験が積みあがるほど自責の念は強くなり、元に戻すにも大きなエネルギーが必要になるからさらにストレスがかかります。

売り込みが原因のストレスの対処法は、上記の逆の発想で「自分がされて嬉しいこと」をお客様にしてあげることです。そうすれば営業マンが自分を信じることができ、余計なストレスがかかりづらくなります。

売れる営業は、具体的な未来をイメージさせ、商品を通して今と将来における問題を解決することができます。その根底にあるのは「この人のために何かしてあげたい」という真心です。

問題解決思考をもってヒアリングやリサーチを行い、顧客が抱える問題の“段階”を明確にしましょう。そして、今も将来もほしいと思っていない人には、まだ知らない“理想の未来”をイメージさせてあげましょう。商品は、あくまでそのためのツールにすぎません。

⑤やることが多い

営業はアポイントをとって提案するだけではなく、会社によっては事務作業もすべて自分で行ったり、受注後のフォローアップや納品に関わる業務まで携わるケースもあります。規模が小さい会社ではとくに顕著です。

「やることが多い」とストレスがたまるのは営業に限った話ではありません。しかし、契約までが大変な営業にとって、契約後も事務作業などで時間がとられてしまうと営業活動に割く時間が減ってしまいます。

そうすると、「既存のお客様の対応」と「新規のお客様に対する営業活動」が平行してしまい、業務のバランスが取れなくなってしまいます。毎月ノルマがある営業にとってはストレスになり、余計プレッシャーもかかります。

営業活動以外にやることが多いことで、「自分がやる仕事じゃないのに」とストレスを感じることも少なくありません。

やることが多いストレスの
解消法・対処法

業務を分業できることが一番効果的ですが、社内リソースの関係でそれが難しい場合は業務を効率化していくしかありません。本当に営業マンがやるべきではない業務や、別の担当者に任せられる業務がありそうであれば上長に相談するなどして、やり方を変えていく必要がありません。

また、直接的な対処方法ではありませんが、実績を重ねて受注率が高くなってくると、1件の受注までにかかる工数が少なく済むようになってきます。そうすると、自然と既存顧客のフォローアップに時間を割きやすくなり、業務のバランスもとれる好循環に入れます。

「自分がやる仕事じゃない」と愚直を言ってしまう前に、なぜ今それを自分がやっているのかを考えみることも大切です。その理由は、会社や組織の体制づくりに問題があるかもしれず、業務を俯瞰してみるきっかけになることもあります。

営業が向いていなければ辞めてもいい

営業に限らず、仕事を辞めたいと思ってしまうのは、その仕事に適正がなかったからです。決して弱い人間だからとか、甘えではありません。つらかったら辞めてもいいんです。

強いストレスがかかり続けると身体を壊してしまいますし、自分をいちばん守れるのは自分です。

営業はとくに、社会的に間違った認識がはびこりやすく、その価値観を押し付けられてしまうケースが珍しくありません。そして、そのとおりにできない自分を責めたり、「辞めたいのは甘えているからだ」と自責の念にかられてしまいます。

ですが、営業を辞めたいと思うのは甘えではなく、むしろ営業という仕事を再定義する絶好の機会だったりします。自分が営業を続けるべきか悩んで答えが出せていない方は、陽転思考という考え方を学んでみてはいかがでしょうか?営業が売り込みではない、その本質を感じられるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。

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