
何をやっても裏目に出る。考えて決めたはずなのに、結果が伴わない。そんな状態が続くと、人はだんだん自分を疑い始めます。
努力の方向が間違っているのではないか、自分には向いていないのではないか。頭では冷静に考えようとしても、胸の奥に重たい感覚が残ります。
ただ、こうした状態に陥るとき、多くの場合「能力が足りない」わけではありません。やる気がないわけでも、怠けているわけでもない。単に、今の状況に対して、思考の使い方が少し合っていないだけなのです。
「うまくいかない」という現状を無理に肯定するのではなく、必要なプロセスとして受け止め直すための考え方をお伝えします。
「うまくいかない」は新しいステージへ進むための重要なサイン
うまくいかない状態に直面すると、人はつい「失敗した」「間違えた」と結論づけてしまいます。しかし、この見方は状況を固定してしまいます。実際には、うまくいかない時期は、次の段階へ移る前に多くの人が必ず通るポイントです。
- 停滞は成長の踊り場である
- 脳が古いやり方を手放そうとしている
- 変化の準備が内側で進んでいる
この前提を知るだけでも、「自分はダメだ」という考えから距離を取れます。うまくいかないこと自体が問題なのではなく、その意味づけが苦しさを生んでいる場合も多いのです。
停滞は「成長の踊り場(プラトー)」
人は成長を一直線のものとしてイメージしがちです。努力すればするほど成果が積み重なり、昨日より今日、今日より明日と前進していく。けれど現実の成長は、そう単純ではありません。多くの場合、階段状に進みます。
しばらく同じ場所に留まっているように感じる時期があります。この期間を、成長の踊り場、プラトーと呼びます。目に見える変化が少ないため、不安になりやすい時期でもあります。ただし、水面下では調整や蓄積が進んでいます。
うまくいかない=後退と捉えると、焦りが強くなります。一方で、次のジャンプに備える期間だと考えると、今の停滞に意味を見出せます。止まっているように見える時間も、成長の一部です。
脳が「これまでのやり方」を手放したがっている
過去に成果を出した方法が通用しなくなると、人は自分を疑います。しかし、この現象は能力の低下ではありません。むしろ、脳が次の段階に進もうとしている合図であることが多いのです。
人はレベルが上がると、無意識のうちに求める刺激や難易度も上がります。その結果、以前は効果的だったやり方に物足りなさを感じ、同じ方法では手応えがなくなります。
「うまくいかない」という感覚は、やり方を変える時期を知らせるアラートのようなものです。無理に過去の成功に戻ろうとすると苦しさが増しますが、変化のサインとして受け取ると、次の選択肢が見えやすくなります。
なぜ「何をやってもダメ」と感じるのか?3つの根本原因

「全部ダメだ」という感覚は、突然生まれるものではありません。いくつかの思考のクセや状況が重なり、少しずつ強まっていきます。原因を言葉にできないままだと、不安は漠然と膨らみ続けます。
- 変えられないものに力を使っている
- 完璧の基準が極端に高い
- 目的と手段が入れ替わっている
これらを分解して理解することで、「対処できる部分」と「手放す部分」が見えてきます。
コントロールできないものを操作しようとしている
不安が強いと、人はあらゆることを自分で何とかしようとします。しかし、他人の感情、過去の出来事、将来の結果は、自分では変えられません。
それでも考え続けてしまうと、エネルギーが消耗します。努力しているのに報われない感覚が強くなるのは、影響できない領域に力を注いでいるからです。
影響の輪と関心の輪という考え方があります。自分が影響できる範囲に集中すると、状況は少しずつ動きます。操作できないものを手放すことは、諦めではなく、力の使い直しです。
「完璧」の基準が高すぎて自分を苦しめている
「ちゃんとできていない=ダメ」という基準を持っていると、どれだけ進んでも満足感が得られません。これは白黒思考と呼ばれる考え方です。
60点まで進んでいても、100点でなければ意味がないと判断してしまう。その結果、前進している事実が見えなくなります。
完璧を目指す姿勢は一見前向きですが、行動を止める原因にもなります。基準を緩めることは甘えではなく、継続のための調整です。
手段と目的が入れ替わっている
本来、仕事は幸せになるための手段です。しかし、いつの間にか仕事そのものが目的になり、苦しさだけが残ることがあります。
目的を見失うと、頑張っているのに満たされない状態が続きます。何のためにやっているのかが曖昧になるからです。
一度立ち止まり、本来の目的に立ち返ることで、今の苦しさの意味づけが変わります。
なにをやっても「うまくいかない」と乗り越えるための方法

物事がうまくいかないとき、人は出来事そのもの以上に「どう考えるか」で苦しくなります。必要なのは、無理に前向きになる考え方ではありません。起きた事実をねじ曲げず、そのうえで意味づけの選択肢を増やす思考法です。
- 起きた事実と、自分の感情を分けて捉える
- ネガティブな感情を否定せず、まず受け止める
- 別の解釈がないかを静かに探す
この三つは、気持ちを切り替えるためのテクニックではなく、思考の土台を整えるための枠組みです。事実と感情が混ざったままだと、状況は必要以上に重くなります。切り分けることで、「うまくいかない」は行き止まりではなく、調整途中の出来事として扱えるようになります。
事実は一つ、考え方は二つある
起きた出来事そのものは変えられません。たとえば失敗した、評価されなかった、結果が出なかった。これらは事実です。ただし、その事実にどんな意味を与えるかは選べます。
ここで大切なのは、感情を抑え込まないことです。つらい、悔しい、悲しい。そう感じる自分を否定せず、一度きちんと受け止めます。感情を無視したまま考え方だけ変えようとすると、心が置き去りになります。
感情を認めたうえで、「ほかの見方はないか」と問い直します。失敗=終わり、ではなく、失敗=途中経過という捉え方もあります。これは現実逃避ではありません。現実を正面から見たうえでの選択です。
最悪の状況から「よかった」を探す
前向きに切り替える具体的な方法が、「でも、よかった」と文章をつなげるワークです。うまくいかなかった事実を消さず、そのあとに別の意味を置きます。
たとえば、プレゼンに失敗した。でも、準備不足に気づけてよかった。恥をかいた。でも、致命的な場面の前で修正点が見えた。この「よかった」は、無理やりひねり出すものではありません。事実を材料にして探します。「次に生かせる点は何か」という視点です。
「よかった」を探し始めると、脳は反省ではなく解決策に意識を向けます。落ち込み続ける思考から、次の行動を考える思考へと切り替わる仕組みです。
自分への「問いかけ」を変える
人は無意識のうちに、自分に問いかけをしています。「なぜこんなにダメなんだろう」「どうしてうまくいかないんだろう」。これらの問いは、過去や原因に意識を向けます。
問いを「どうすればよくなるか」「次にできることは何か」に変えると、意識は未来に向かいます。脳は、質問された内容の答えを集める性質があります。
問いが変わると、見える情報が変わります。同じ状況でも、修正点や可能性に気づきやすくなります。これは気合いではなく、脳の使い方の違いです。
負のループから抜け出すための具体的なアクション

考え方が整ったら、次は行動です。ただし、大きく変えようとする必要はありません。むしろ、小さな行動のほうが効果的です。
- 物理的な環境を少し変える
- やめることを決めて消耗を減らす
- 小さな「よかった」を記録する
行動は、思考を後から引っ張ります。気分が変わってから動くのではなく、動くことで気分が変わる流れをつくります。
物理的な環境を少しだけ変える
部屋の換気をする、机の上を片付ける、通勤ルートを変える。こうした小さな変化でも、脳には十分な刺激になります。
人は、同じ景色を見続けると、思考も固定されやすくなります。視覚情報が変わると、「今までと違う」という感覚が生まれ、思考の流れも切り替わります。
行き詰まりを感じるときほど、内面ではなく外側から動かすほうが効果的な場合があります。環境は、思考の土台です。
「やめること」を決めてエネルギー漏れを防ぐ
新しいことを始める前に、消耗している習慣を見直します。なんとなくスマホを見る時間、気が進まない付き合い、惰性で続けている予定。
これらは一つひとつは小さくても、積み重なると大きなエネルギー漏れになります。やめることを決めると、時間と気力に空白が生まれます。
空白は、何もしない時間ではありません。次に向かう余裕をつくるためのスペースです。
1日1つ「小さなよかった」を記録する
寝る前に、その日あった「よかったこと」を一つ思い出します。大きな出来事である必要はありません。予定どおり終わった、少し気持ちが楽だった、それで十分です。
この習慣は、うまくいかない状況の中にも前進があることに気づく練習です。
続けていくと、「ダメな一日」という判断が減ります。状況は急に変わらなくても、見え方が静かに変わり始めます。それが、次の行動につながっていきます。
うまくいかないときは新しい自分になるチャンス
うまくいかなくて悩んだときは、自分自身について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
どんな出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。目標がないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
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