
「静かな退職」という言葉、最近よく目にするようになりました。海外では “Quiet Quitting” と呼ばれ、「会社を辞めるわけではないが、あくまで必要最低限の仕事だけを行い、いわば“心理的に退職している”状態」を指すことが多いと言われています。
一時的な流行語と思われがちですが、実はこれが40代の会社員にも深く関係するテーマだというのをご存じでしょうか。
「静かな退職」とは?40代にとっての意味合い
「静かな退職」とは、会社を辞めるわけでもなく、派手にサボるわけでもないが、情熱や主体性を失い、あくまで指示されたことだけを淡々とこなす働き方を指すことが多いです。海外ではSNSを中心に「Quiet Quitting」という言葉で知られるようになり、日本でもさまざまなメディアが取り上げています。
ここで注意したいのは、「静かな退職」を安易に「怠惰」とイコールで結びつけないことです。多くの場合、そこには“頑張れなくなった”もしくは“頑張る意味を見いだせなくなった”という背景があります。
20代・30代と走り続けてきた人でも、40代に突入すると体力的・精神的に変化が出やすくなります。また、人生のステージが変わり、子育て、家族の介護や自分自身の健康問題が表面化する時期でもあります。加えて、会社員としてある程度のキャリアを積んでいると、「もうこれ以上の昇進は期待できない」「頑張っても給料がほとんど上がらない」など、先が見えてしまうことでモチベーションが下がることも珍しくありません。
そんな折に自分がいつの間にか「ただ言われたことだけをする」「最低限の業務はこなすが、それ以上のチャレンジをしない」という状態に陥っている・・・これがいわゆる「静かな退職」と呼ばれる働き方です。
しかし、こうした状態を「悪い」と一括りにするのは早計です。むしろ今の日本社会や組織の仕組みにおいては、多くの40代が同じような状況に置かれやすいとも考えられます。
20代の静かな退職と40代の静かな退職の違い
若い世代、特に20代で「静かな退職」という現象が起こるとき、しばしば「仕事自体が自分に合わない」「他にやりたいことがある」といった理由から、“早めに現実を見切る”ニュアンスが含まれがちです。
一方で、40代になると、家族や住宅ローン、さらには職場でのポジションなどもあり、「簡単に辞められない」「一度築いた肩書きを手放したくない」という心理や現実的な縛りが強くなります。
その結果、会社は辞めずに残るが、情熱を失い「最低限の業務をこなすだけ」*になってしまうのです。いわば、組織内に留まるための妥協策とも言えますし、同時に自分を守るための選択とも言えます。
40代特有の精神的側面
40代は、それまでのキャリアを振り返り、「本当にこのままでいいのだろうか?」という疑問を持ちやすい年代です。いわゆる“中年の危機(ミッドライフ・クライシス)”が訪れやすい時期とも重なります。
- 過去の実績や成果が大きかった人ほど、そこからの伸びしろを感じられなくなる
- 一方、思うように成果を出せなかった人ほど「今さらもう遅い」と自己否定感を持ちやすい
こうした背景から、「静かな退職」をしていることに気づいても、自分を変えるモチベーションを見つけられずにそのまま続けてしまう人も多いのです。
40代が「静かな退職」を選ぶ理由

「静かな退職 40代」に至る理由はさまざまですが、ここではよく聞かれる典型的なパターンをいくつか紹介します。以下に挙げる理由のいくつかは、同時に起こっていることも珍しくありません。実際には複合的な要因が絡み合っている場合が多いでしょう。
昇進やキャリアアップへの諦め・停滞感
20代・30代の頃は「いずれ管理職になりたい」「大きなプロジェクトを任されたい」と夢を描いていた人でも、40代になって会社の構造や人事制度の壁を実感すると、「これ以上のキャリアアップは難しいかも」という諦めに繋がりやすいです。
実際、同年代の同僚や友人が昇進しているのに、自分はなかなか評価されない。そんな経験をすると、「もう頑張っても報われない」とキャリア自体に停滞感を覚えることもあります。
給与や評価への不満、努力が報われない感覚
年功序列が崩れてきている企業もあるとはいえ、まだまだ給与や役職が大きく変わりにくい場合も多いものです。さらに、バブル期入社の世代が上にいると、40代の評価枠は限られているケースもあります。
どれだけ努力しても給料はわずかにしか上がらず、「残業代すらしっかり出ない」「成果を上げてもボーナスが微々たるもの」という不満が積み重なると、意欲が削がれていくのも無理はありません。
プライベートの充実を求める価値観の変化
40代は家族構成や生活スタイルの変化が大きい年代です。子供が大きくなるにつれ教育費がかさんだり、逆に子育てが落ち着いて自分の時間が増えたりするなど、ライフステージが人によって大きく変わります。また、親の介護が必要になってくる時期でもあり、仕事一辺倒で突き進むのが難しくなることもあります。
すると自然に「会社中心の生き方ではなく、家族や自分の健康を優先したい」と思うようになり、静かにペースダウンしていくわけです。
仕事への情熱の低下、マンネリ感
同じ会社や同じ部署で長く働いていると、どうしても仕事のマンネリ化が避けられないケースがあります。新たに学ぶことが減り、職場環境も大きく変わらないため、「このままでは自分が成長しないな」と気づいても、転職や部署異動をするにはリスクが大きい。結果、情熱を維持できずに「やりがい」を感じることが難しくなるのです。
体力的な限界やストレスからの回避
20代・30代と比べ、やはり40代に入ると体力面の衰えを感じる方が少なくありません。特に激務や夜勤のある職場で長年働いてきた人ほど、慢性的な疲労や睡眠不足によってストレスが高まり、「これ以上は無理をしたくない」と思うようになります。
健康第一と思いながらも、辞めるまでの決断はできずに中途半端なまま……というパターンも見受けられます。
趣味やその他の関心事への優先順位の変化
40代になると、新たな趣味を見つけたり、ライフスタイルを見直したりして、自分の時間を充実させたいと考える人が増えます。たとえば、家庭菜園にハマったり、ジム通いを習慣化したり、中にはボランティア活動にのめり込む方も。
すると、「仕事はそこそこ、趣味にこそ全力を注ぎたい」となり、自然と仕事への情熱が薄れていくのです。
「静かな退職」は悪いこと?40代にとってのメリット・デメリット

「静かな退職」と聞くと、何やらネガティブな響きがありますよね。確かに、従来の「やりがいを持ってバリバリ働く」という価値観からすると、“頑張らなくなる”というのは良い印象ではないかもしれません。
しかし、現実には40代の会社員にとって「静かな退職」で得られるメリットも確かに存在します。ここではメリットとデメリットを客観的に見てみましょう。
40代が静かな退職をするメリット
- 精神的な余裕が生まれる
最低限の仕事だけに集中することで、無駄に背負い込んでいた責任やストレスを減らせます。燃え尽き寸前だったり、家庭や健康面で問題を抱えている人にとっては、業務負荷を軽くすることが優先課題かもしれません。
- ワークライフバランスの充実
激務から離れ、少しペースを落とすことで家族との時間や趣味に使う時間を確保できます。特に子供がいる場合は、一緒に過ごす時間を増やしたり、家事に参加する余裕ができることが大きなメリットです。
- プレッシャーの軽減
「成果を出さなければ」「昇進を狙わなければ」という強いプレッシャーから解放され、気持ちが安定しやすくなります。精神的に追い込まれていた人にとっては、回復期間になることも考えられます。
40代が静かな退職をするデメリット
- キャリアの停滞、スキルアップの機会損失
仕事へのモチベーションが低くなると、積極的に学習や新しいチャレンジをしなくなるため、将来的に転職やポジションの変更が難しくなるリスクがあります。
- 自己肯定感の低下
「頑張っていない自分」を意識してしまい、罪悪感や劣等感を抱くケースも。周囲がイキイキ働いているように見えるときほど、その差を感じて落ち込むことがあります。
- 周囲との距離が生まれる
自分だけ「最低限でいいや」と思っていると、バリバリ働く同僚や後輩との温度差が広がり、職場で孤立したり浮いた存在に感じてしまうこともあるでしょう。
明日へ向かうために 40代ができること

「自分はもしかして“静かな退職をしている40代”では?」と感じたら、その気持ちを否定するのではなく、まずは自分自身の状態をしっかり受け止めることが大切です。
40代であれば、仕事だけが人生のすべてではありません。家族や趣味、地域活動、さらには自分自身の健康管理など、優先すべきことはたくさんあります。
次章から、明日からできる具体的なアクションや心構えをお伝えします。
「頑張れなくなった理由」を言語化する
単に「やる気が出ない」「情熱が薄れた」と感じているだけだと、解決策を考えにくいです。具体的に、どんな場面で「もう無理」と思うのか、何がストレス源になっているのかを書き出してみましょう。
「本当はキャリアアップしたいのか、それとももう頑張りたくないのか?」あるいは「プライベートを優先するのか、それともやはり仕事での達成感も捨てがたいのか?」など、こうしたギャップを明確にすると、自分が本当に望む方向性が見えてきます。
自身を客観的に見られない場合は、家族や親しい友人に「今の状況をどう思う?」と率直に聞いてみるのも一つの手です。思わぬ角度から気づきを得られるかもしれません。ただし、最終的には自分の意志を優先しましょう。
現状を維持しつつ、プライベートを充実させる
必ずしも「静かな退職」状態を脱却しなければならないわけではありません。むしろ、人生のある局面では「一旦ペースを落として、プライベートを大切にする」のも賢い選択と言えます。
たとえば、ずっと興味があった楽器やスポーツを始めてみるだけでも、心のリフレッシュになります。仕事で消耗しすぎていた部分を、趣味で埋め合わせると自然と活力が戻ってくる人もいます。
また、40代は体力が落ちやすい年代なので、きちんと睡眠をとり、食事や運動を見直すことで、精神面の安定も得やすくなります。健康を損なうと、ますます仕事への意欲が失われる悪循環に陥りかねません。
人によっては、地域のイベントやオンラインサロンなど会社とは関係ないつながりを持つと、新鮮な気持ちで人間関係を築ける可能性があります。「会社=すべて」という構図から離れることで、視野が広がるでしょう。
小さな挑戦や学びを始めてみる
「今の仕事にはやりがいを感じないけれど、何かを変えたい」という人にとっては、何かしら小さな一歩が効果的です。
興味ある分野の学習、たとえば語学やプログラミング、資格試験の勉強など。いきなり本格的にやるのではなく、まずは手軽なオンライン講座や書籍での独学を始めるだけでも刺激になります。
また昨今では、多くの企業で副業解禁の流れもあり、週末や夜間に自分のスキルを活かした副業を始める人が増えています。ただし、これは「収入アップ」を狙うだけでなく、「自分の可能性を試す」意味でも有効かもしれません。いきなり大きく稼ごうとせず、自分が楽しめる範囲でチャレンジしてみると、思いがけない道が開けることもあります。
40代の静かな退職は決して珍しくない

意外に思われるかもしれませんが、40代になってモチベーションが下がり、最低限の仕事だけをこなす状態になるのは決して珍しいことではありません。人生のステージが変化するなか、仕事に情熱を注ぎ続けるのが難しくなる人は想像以上に多いのです。
このような状況に陥ったとき、大切なのは自分を責めるのではなく「今の自分がどんな心境にあるのか」を客観的に見つめることです。疲れているなら休む、家庭を優先したいなら思い切って仕事量をセーブする。それでもいいのです。
ただし、もし少しでも「このままでは物足りない」「将来が不安だ」と感じるなら、前述したような小さなアクションから始めてみましょう。
無理に情熱を取り戻そうとしなくていい
たとえ「静かな退職」を選んでいるように見えても、人生全体のバランスを考えればそれが最善策となる場面もあります。プライベートを充実させることで、新しい活力が湧いてくるケースもあるでしょう。
「自分がどうありたいか」を問い続ける
40代は若い頃とは違い、仕事だけが人生のすべてではなくなる人も多いです。これから10年、20年先を見据えたとき、「どんな生き方がしたいのか」を考えるのに遅すぎることはありません。
焦らず、行動しながら探る
大がかりな転職や独立を急ぐ必要はないかもしれません。まずは健康的な生活リズムを整え、興味を引かれる分野の学習や情報収集をコツコツと進めてみてください。そうすることで、改めて仕事に対する意欲が戻ることもありますし、逆に「やはり自分は別の道を歩みたい」と確信を持つこともあるでしょう。
「静かな退職 40代」というのは、働き方の一つの形です。そして、その背景には個人の環境や心境の変化が大きく関わっています。仕事への情熱がなくなった自分を否定せず、「今だからこそできること」を見つけ出すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
どんなことにも『よかった』は存在する

自身のキャリアに悩んだときは、人生の在り方ついて深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。目標がないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。
『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。
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