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一昔前よりも、働き方や生き方、それに伴う価値観の多様化が進む現在では、全員が同じような目標を持たされても納得できる人ばかりではなくなりました。
これまでのような成功のロールモデルは当たり前ではなくなっていることにくわえ、自分で設定した目標が正しいかもわからずに迷ってしまい、結果的に達成できなかったという人も多いでしょう。
「自分なりに頑張ってるのに目標が達成できない」「何を目標に頑張ればいいかわからない」と悩めるビジネスパーソンのため、本ページでは目標を達成できる人とできない人の違いを中心に解説します。
目標が達成できない6つの理由
多くの人にとって、目標が達成できない主な理由は次の6つです。
- 1年を通した目標しか設定していない
- スタートダッシュを切ろうとする
- 他人から与えられた目標に納得できていない
- 目標を達成できない自分を恐れている
- 他人と自分を比較してしまう
- 本当に必要な目標を立てられていない
「やる気がない」と言ってしまえばそれまでですが、モチベーションが上がらないことには根本的な原因があります。目標が達成できないと悩む前にやるべきことは、目標の立て方が正しいかどうかと、その目標が本当に必要なものかどうかの確認です。
1年を通した目標しか設定していない
なんとなく、目標は1年間を通したものだと思い込んでいませんか。実はそれが目標を達成できない大きな理由になっているかもしれません。
「1年間」という期間は決して短いものではありません。目標を達成できない習慣が身に付いている人にとっては長く感じるものでしょう。目標を達成するには、それだけ長い期間においてモチベーションを継続しなければならないということ。並々ならぬ覚悟がなければ難しいですよね。
その1年にどんな意味があるのかを考えて、必要に応じて期間を細かく分けるなどしないと、毎度このモチベーションを継続できない大きな目標に立ち向かえないままです。
スタートダッシュを切ろうとする
年の始まりである1月、また年度の始まりである4月は、新たな目標に向けて歩み出す最初の月でもあります。しかし、会社から課される目標がつらいと感じ、憂鬱な気持ちになりやすいのもこの時期でしょう。年明けに「今年は○○をやるぞ」と意気込んだものの、毎年理想の自分とは程遠いと悩むものです。
目標を立てる際の罠は、目標をたてた瞬間がもっともやる気に満ちていること。多くの人が最初にスタートダッシュを切ろうとするのです。最初にやる気があるのは良いことですが、ペース配分を間違えてガス欠を起こしてしまっては継続できません。
スタートダッシュを切っても構いませんが、やる気は乱高下することを知ったうえで、都度持ち直していくつもりで目標に向かわなければいけません。
他人から与えられた目標に納得できていない
目標には2つの種類があります。会社や社会から課される目標と、自分で設定する目標です。前者は例えば、営業職なら毎月売上のノルマがありますし、生産管理の部門であれば歩留まり率などが数字目標として持たされます。後者は「今年中に○○kg痩せる!」など人によってさまざまでしょう。
問題は、会社や社会から課される目標です。自分で決めたものではないため、仕事をする上では必須だと理解していても他人が決めた目標に対して心から納得できているでしょうか。
納得できていない、自分のためにやる意味を落とし込めていないような目標では、上手くいかないときに「それでも頑張る」理由を見失ってしまうでしょう。
目標を達成できない自分を恐れている
会社や社会から課される目標が未達成なら怒られるでしょうし、会社から“敗者”の烙印を押されたような気持ちになって自信を失ってしまう人も少なくありません。できなければ戦力外、無情にも会社の目標とはそういうものなのです。
自分でたてた目標であっても、達成できない自分が情けなくなって余計に落ち込むのではと結果が出る前から恐れている人も少なくありません。
理想と現実のギャップに苦しむ人を大勢います。とくに、社会人1年目や新しい仕事についたばかりの人が陥りやすく、目標を達成したという実績が乏しい状態では、できなかったときの想像が勝ってしまうのは多くの人が抱える「人間の弱さ」です。
他人と自分を比較してしまう
「自分はダメな人間なんだ」「優秀な人が疎ましく思える」。そんな風に自分を卑下してしまうのは、目標を達成できる他の人と自分を比較してしまうからです。他人から課された“勝ち負けを決める目標”だけに向かっていると、人は壊れやすくなってしまいます。
他人と比較しないと存在意義を見出せない状態は健全ではありません。会社や見えている社会の一部がすべてではありません。そこで目標を達成できない自分を否定する必要はないのです。
本当に必要な目標を立てられていない
少し厳しい言い方になりますが、本当に必要なことならば、死ぬ気で取り組んでいるでしょう。言葉では何を言っても行動がすべてなので、自分が行動を起こしていない以上は「達成しなくても困らない目標」だったからなのかもしれません。
「そんなことはない!未達成なら人から怒られるし嫌な思いをする」と反論したい人もいるでしょうが、怒られて一時だけ嫌な思いをしたところで話はそれで終わり。個人の目標なら尚更です。
本当に必要な目標を立てられていないことが、達成できない根本的な理由の可能性も高いです。言い換えれば、達成しなくても別に構わない目標なのだから当然の話でしょう。
目標を達成できない自分から脱却する方法
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では、目標を達成できない自分から脱却するのはどうすればいいのでしょうか。達成できない理由にもよりますが、次のいずれかの方法を試してみてください。
- 週次の目標をたてる
- 「自分で決めた個人の目標」を作る
- 小さな自己承認を積み重ねる
- 自分が欲しくないものは「欲しくない」とハッキリさせる
- 社会が決めた理想を自分の理想にしない
どれか一つではなく、できれば並行して実践できるとよいでしょう。自分が納得できる目標を立て、それから小さなスパンで区切って小さな目標に細分化します。そうすることで、無理なく目標を達成できるようになります。
週次の目標をたてる
行動管理が下手な人は、目標を年次だけで追います。すると、年始は「まだ時間はあるし」と気持ちに余裕がありますが、年末に近づくほど「もう時間がない」と追い込まれていく。これは目標設定の期間設定が甘い典型です。
また、例えば会社のノルマや目標は月ごとに設定されている場合がほとんどですので、その締めに合わせて動こうとすると後半がしんどくなります。
反対に、行動管理が上手い人。つまり目標を達成し続ける人は、目標を週次で追います。何が違うかというと、1年間でのゴールを12回とするか、52回とするかです。
月次の場合は12か月、週次の場合は約52週です。1年間で大きな目標を12回追うよりも、小さな目標を52回追った方が効率が良いですよね。小さなゴールを短いスパンで積み重ねていく方が“歩みを止めない習慣”を作りやすいのです。
目標は高ければ高いほど達成するのは難しいですが、その目標を小さく細分化してしまえば、ひとつひとつの目標達成は簡単になります。何となく大きな目標のために動くのではなく、「少し頑張ればできそうな課題」に落とし込んでしまえばいいのです。
「自分で決めた個人の目標」を作る
「自分で決めた個人の目標」があれば、人生のかじ取りを他人に任せなくて済むようになります。個人の目標とは、会社や仕事とはかけ離れた「自分を承認するための目標」です。
例えば、「夏までに3kg痩せる!」」という目標でもよいでしょう。それを達成するために週3日でランニングをしたり、食事の栄養バランスを考えたりと、自分がほしいもののために努力します。
仮にそれが達成できなかったとしても、誰かと比べる必要はなく、求めた結果が出なくても自分を否定しなくて大丈夫です。3kg痩せられなかったとしても「ランニングを始めた自分ってちょっとすごい」と褒めればいいのです。
少しの行動を積み重ねた先に、色んな達成があります。「できた」「できない」ではなく、「できなかったけど○○を見つけた」という“発見”が大切だからです。
小さな自己承認を積み重ねる
自己承認とは、自分自身を認めることです。自己承認は、会社が用意する目標や、社会が決めた勝ち負けの定義の中だけで行うのは難しいものです。他者に決められた目標のなかに本当の意味で“自分”はいないからです。
自分だけではない、競争という、他人と比較せざるを得ないフィールドに立たされてしまっている状態は道を見失いやすくさせます。だからこそ、自分が本心から欲しいものに向かって努力する、自分で決めた目標が必要なのです。
自分が欲しくないものは「欲しくない」とハッキリさせる
では、会社や社会が用意する目標に従う人が、欲しくないものを競ってまで手に入れようとするのはいったいなぜなのか。その理由は「こうなりたい」という理想や夢すら、社会によって作られたものなのかもしれません。その競争心は他人によって作られてはいないでしょうか。
例えば、目の前に嫌いな食べ物があったとします。それを「欲しがれ」と強要されても誰かと競ってまで食べたいとは思わないですよね。そして、それを食べなかったことを否定されても、自分を責めたりもしないはず。なぜなら、欲しいものではないから。当然の理由ですよね。
今あなたが向かっている目標は、自分が欲しいものを手に入れるための競争でしょうか。もしそうでないのなら、歪んだ目標からすぐにでも離れることをおすすめします。誰かに競わされているだけのレースはあなたには必要ありません。
社会が決めた理想を自分の理想にしない
「こうあるべき」という社会が決めた理想と、明確な目標を持っていない自分を照らし合わせて、本当は欲しくないものを「欲しいはずだ!」と思い込んでしまう。まずはこの状態から脱却しましょう。必要と思えるならそれはそれでOKです。
理想がないから、なんとなく社会に出て世間一般の成功モデルを目指す。それも悪いことではありません。ただ、誰かに作られた競争心はそんなに長くは持たないのです。
そのため、社会が決めた理想を自分の理想にしない。そのうえで、納得できる目標を立てることから「目標を達成できる人間」への成長は始まります。
人生は短距離走ではなく、長距離走である
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社会に出て数年、新しい仕事を始めて数年なんてものは、長い人生の中のほんの一部に過ぎません。大切な時期だけれど、それがすべてではありません.人生は短距離走ではなく、長距離走だからです。
仮に、営業マンが3ヵ月連続で売上目標を達成できなかったとしましょう。短期的な視点で見れば、その期間はとてもつらいですし、敗者になってしまった自分を好きにはなれないかもしれない。
ですが、その先もずっと人生は続きます。80年の中のほんの数ヶ月や数年で、あなたの勝ち負けは決まりません。もし今なにかに負けたと感じるのであれば、それはあなた自身が生んだ「他人が決めた正解になれなかった自分」を責めているだけです。
自分が決めた正解に向かって目標を立てる
何が正解かは人によって違います。自分ができること、興味あることから目をそらさない。あなたがどこで輝けるかは、他人はもちろん、自分自身ですらまだ何もわかっていないでしょう。少しの行動を積み重ねた先にしか、「自分が決めた正解」はありません。
会社から課される目標に自ら意味を見出せれば素敵なことです。でも、それが難しいと感じているなら「自分で設定する個人の目標」を作りましょう。
欲しいもののために努力し目標に向かっているときの姿が、本来のあなたの姿です。
どんなことにも『よかった』は存在する
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何かに失敗してメンタルが落ち込んだ時は、自分の将来について深く考える機会です。言い換えれば、「このタイミングで悩んでよかった」と自分を褒めてもよいということです。
仕事に限らず、どんな悪い出来事にも『よかった』は存在します。大切なのはそれに気付けるかどうかです。仕事に行きたくないと悩んだことで、逆に『よかったこと』は何でしょうか。
- もっと成長しなきゃとモチベーションが高まった
- 乗り越えたことで耐性ができた
- 糧としたことで前よりも精神的に強くなった
- 仕事への価値観や人生について考えることができた
考え方次第で色んな『よかったこと』が出てきます。どんなことにも相反する事実があることを忘れないでください。もし『よかったこと』に気付けそうになければ、気付けるようになるための考え方を醸成してきましょう。もし自分一人では考え方を醸成できない人は『陽転思考』を学んでみてください。
陽転思考とは、ネガティブな事実からも「よかった」を探す思考法です。ネガティブな感情を許可し、それらを受け入れてから切り替えるという方法であり、マイナスのことを否定しません。良いとか悪いという二元論ではなく、「すべての事実はひとつですよ。見方を変えて見ましょう」という考え方であり、ビジネスにおいても重要な考え方になります。『日刊ワダビジョン』は、陽転思考に繋がる仕事やコミュニケーションにおける本質を知れるメルマガになっていますので、この小さな一歩から皆さんの人生が前向きになることを願っています。
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