トップ営業が実践する成約率を高めるコツ!アポの取り方・話し方・クロージング別で解説

アポが取れなかったり、商談はできても成約までなかなか至らなかったり、成果が出ない営業マンは一体なにが悪いのか?

ジャンルや業界によって形は変わるものの、営業で成果を挙げるためのコツは、実はどんな業界でも共通しています。

ポイントは、売り込まない営業を徹底することです。

「営業なのに売り込まないの?」と思われる方もいるかも知れませんが、まずは営業=売り込みという固定観念を外すところから始めましょう。

トップ営業が実践する成約率を高めるコツ

まずおさらいですが、大まかに営業の基本的な流れは以下です。

【営業の流れ】

  • 1-アポイントの獲得
  • 2-お客様との商談
  • 3-受注 or 失注

アポイントの獲得は、テレアポであったり飛び込みであったり、会社ごとにアプローチ方法は異なるでしょう。他にもお客様からの紹介や、展示会などで名刺交換したことがきっかけで商談が生まれることもあります。

当然ながら、商品を購入することでメリットがあるお客様に対してアポイントをとらなければ、商談をしたところで成約には至りません。そのため、アポイントの獲得から成約まで一連の流れとして捉える必要があり、どこか一つを変えれば改善するというものではありません。

アポイント獲得のコツ

アポイントの質が悪ければ、当たり前ですが商談の質も悪くなります。「質が悪い」とは、自身の商品・サービスを購入するメリットがないお客様にアプローチすることです。

営業歴が浅い人が最初に陥りやすいのは、アポイントを取ることがゴールだと思い込んでしまうことです。会社によっては、「まず何でもいいからアポをとれ」と上司や先輩に言われた結果、とりあえずアポイントを入れただけといったケースもあるでしょう。

偶然、想定外にも素晴らしい商談になることもありますが、それはただのラッキーパンチであり再現性がありません。予め、どんな人にどんなアポイントをとるかを明確にしてアプローチするかどうかで、その後の営業効率や成約率は大きく変わります。

会社によってアプローチ方法は異なりますが、商談の約束を取り付けるときに意識すべきことは大きく2点あります。

■商談の目的を明確に伝える

例えばテレアポの場合、会ったこともない人にいきなり電話で会う約束をこぎつけるのは簡単ではありません。そのため、とにかくアポを入れようと、肝心の商談内容や商談をする目的をぼやかしたまま日時だけセッティングしてしまうのは避けましょう。

「○○を紹介させていただき、もしメリットをご理解いただけるようでしたら…」
「○○が御社にとって最適である理由を細かくご説明したく…」

など、なんのために自分が電話をかけていて、商談によって相手方になんの価値が生まれるのかを、電話の時点で明確に伝えておきます。

商談は、相手の貴重な時間をいただくわけなので、「挨拶だけでもしたくて」のような時間をとってまで話す価値が感じられない話をするのはNGです。もしそれでアポイントを取れても、相手のスタンスが「ただ挨拶の応対をするだけ」になってしまい、商談の本気度は下がってしまうでしょう。

■メリットではなくベネフィットを伝える

メリットは特徴であり、ベネフィットはその特徴によって得られる価値です。商品やサービスのメリットによって何を得られるかを具体的に説明しないと、お客様が契約や購入をする価値をイメージしづらくなってしまいます。

「○○はこんな機能がありまして…」ではなく、「○○の機能によって、御社の業務が具体的に△△ほど改善できる見込みがありまして…」のように、お客様に想像させるのではなく、営業マンが実際に言葉にして伝えることが大切です。

ただでさえ業務で忙しいところに割って入るわけですから、「この人は結局なにが言いたいんだ?」と思われたらすぐに対応を切られてしまいます。ベネフィットを端的に伝える技術はやはり必要でしょう。

■再コール・再訪問する日時を確認する

アプローチしても担当が不在だった場合、そのまま電話を切るのは機会損失です。担当者がたまたま不在だったとしても、「ご都合の良い時に改めますので、ご担当者様がお手すきになりやすい時間が分かればありがたいのですが…」と次に繋がるアクションをしておけば、例えそのときは話せなかったとしてもアプローチした価値は十分あります。

テレアポなら1コール、飛び込みなら1訪問、小さくともひとつひとつの行動に意味を持たせることで、密度の高い営業活動ができる期間がやってきます。

商談のコツ

アポイントがコンスタントにとれるようになってくると、次は「商談が上手くいかない」という悩みに直面するでしょう。

商談では、営業マンのトーク内容だけではなく雰囲気や話し方もすべて相手に伝わります。そのため、コミュニケーション能力が高くないとダメと思われがちですが、実はそれはあまり関係ありません。

コミュニケーション能力が高いに越したことはないですが、次に紹介するコツを意識すれば、話すことが得意ではなくてもきちんとした提案をすることは可能です。

■アイスブレイクしようとしない

アイスブレイクとは、わだかまりを解くために設ける話題であったり時間のことです。初対面での商談や打ち合わせなど、本題に入る前に場の空気を整えたいときによく用いられます。

一見、あって損はないように思えるアイスブレイクですが、お客様が忙しい中で商談の時間を設けたのは営業マンと仲良くなるためではないため、アイスブレイクに割く時間が多くても逆効果でしょう。

無理にアイスブレイクしようとせず、お客様が時間を作ってまで聞いてよかったと思える提案ができれば信頼は勝ち取れますし、良好なコミュニケーションは自然と図れます。

■資料やPCではなくお客様に向かって話す

自信がなかったり、商品やサービスをきちんと理解していない営業マンは、お客様ではなく資料やPCを見ながら話しがちです。これは絶対にやってはいけません。

人は、話す内容だけではなく、話し手の雰囲気や身振り手振りからも印象を受けます。会話をするときは相手の目を見て話すように、商談においても「私はあなたに話しています!」という真摯な姿勢が伝わらなければいけません。

資料はあくまで補足として、本題は自分の口から想いを載せて話すようにしましょう。お客様は、読めばわかる資料を読み上げてほしいとは思っていません。

■お客様の「今」ではなく「未来」における価値を提案する

商品を買ってもらうために、「どのように紹介するか?」「どんなトークを展開するか?」で悩んでいる営業マンは、根本から考え方が間違っているかも知れません。これらは“売ること”を目的とした悩みだからです。

世の中には、“売るため”に生み出された商品なんてものは厳密には存在しません。すべての商品は、何かしらの“問題”を解決するために生まれています。そして人々が抱える問題には次の二つがあります。

①今すぐ解決したい問題
②将来的に解決しなければいけない問題

もし、今目の前で家が燃えていたら、悩むまでもなく消防車を呼びます。消火(解決)するためにコストを払うかどうか迷う人はいません。次に、今は燃えていなくても、火事が発生したときに備えるため、火災保険を検討する人もいます。前者が①の問題で、後者が②の問題です。

今すぐ解決したい問題を抱えている人は、わざわざ難しい提案をしなくても商品を買います。タイミングがよければ売れるためです。では、今は必要としていない人はどうでしょうか。

営業マンに必要なのは『問題解決思考』であり、「将来的に解決しなければいけない問題」を抱えている人達をどう幸せにできるかが最も大切です。

クロージングのコツ

商談がつつがなく進行できるようになると、次に待っているのは成約率です。成約率が低い営業マンの多くはクロージングが得意ではありません。

いざ、買うか買わないかの判断を迫るとき、断られるのが嫌で具体的な話を躊躇してしまったり、なんだか悪いことをしているような気がしてしまうといった心理的な問題が大きいでしょう。

クロージングのコツは、お金のハードルを超えることです。お客様はもとより、営業マン自身がお金を払ってでも得るべき価値であると心から思えていれば、クロージングは驚くほど簡単になります。

■お金を話を躊躇しない

売れない営業マンは、総じてお金の話が得意ではありません。お金の話になった途端、自信を無くしてしまったり、お金の話を切り出しづらいと感じてしまうのです。「断られるかもしれない」という恐怖心が、心理的な『お金のハードル』を生み出してしまうためです。

言い換えれば、商品の提供価値に自信がないから感じてしまうものであり、今それを必要としていない人に売る理由がハッキリと見出せていないせいでもあります。

仮に、お茶を売りたいとしましょう。しかし、お客様はお茶を必要としていません。そのような状況で「とても美味しいんです」や「他と違って特別なんです」とメリットを伝えても当然ながら響きません。メリットは理解できても、得られるベネフィット(価値)がイメージできないためです。

では「健康に良いんです」と説明したらどうか?これも実は間違いです。なぜなら、お客様は『将来も健康でい続けることの価値』がそもそもイメージできていないからです。健康が一番であることは、なんとなくはわかります。けれど、今アクションを起こさなければならないとまでは感じていません。

必要なのは未来へのイメージです。この場合、『ずっと健康でいることで、将来的に得られる特別な体験』をどれだけ具体的に伝えられるかが重要です。

お金のハードルをこえるのは、トークの技術でも心理戦でもありません。未来への具体的なイメージです。それを説明するためには、営業マン自身が価値を感じており、自らが「ほしい」と思えていなければなりません。

■ハードルになっている要因を確認する

提案内容には前向きでも、いざクロージングすると契約を躊躇するお客様は少なくありません。その場で決めきれないのは、何かがハードルになっておりそれを超えられていないためです。

「実はまだ価値をよく理解できていない」
「自分はほしいけど、家族には反対されそう」
「物はよさそうだけど、なんだか売り込まれてる気がする」

色々な理由はありますが、何がハードルになっているのかは直接確認すべきです。理由を聞くことを躊躇する必要はなく、むしろ、その障壁を払拭してあげることでお客様のためになるなら、ドンドン聞いてあげるべきです。

ただし、売るために前のめりになって確認するのは警戒心を強めるだけなので、あくまでも「お客様のために不安を無くしてあげたい」という営業マンの真心によってコミュニケーションをとりましょう。

■一回の商談で無理にクロージングしない

提案にも、お客様の心づもりにも段階があるため、一回の商談で無理にクロージングしないことも大切です。どれだけ前向きに話を聞いてくれていても、前述ような理由から決めきるまでには至っていない状態も十分考えられます。

商談を複数回に分け、各回におけるゴールを決めておき、お客様によって最適なタイミングで契約してもらえるように事を運びましょう。お客様が「今すぐ契約したい」と考えている場合は別ですが、営業マンが「今すぐ契約してほしい」と自己都合を見せるとお客様は当然ながら離れていきます。

営業は売り込まない方が売れる

売れる営業マンは、具体的な未来をイメージさせ、商品を通して今と将来における問題を解決しています。その根底にあるのは「この人のために何かしてあげたい」という真心です。

「ノルマを達成するため」「売る商品が決まっているから」といった自分本位の目的でセールスをしても売れないのは、それが顧客の抱える問題とは無関係なためです。

本気の人には、お金を払ってでも得たい未来があります。お金を払ったからこそ生まれる価値を得ることができます。目の前の人が本気になれていないのであれば、未来へのプロセスをイメージできていない=可能性を制限してしまっていることこそが問題です。

問題解決思考をもってヒアリングやリサーチを行い、顧客が抱える問題の“段階”を明確にしましょう。そして、今も将来もほしいと思っていない人には、まだ知らない“理想の未来”をイメージさせてあげましょう。商品は、あくまでそのためのツールにすぎません。

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